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ヴァシュロン・コンスタンタン オーヴァーシーズ オートマティック 4520V/210A-B128 41mmが新登場。

ヴァシュロン・コンスタンタン オーヴァーシーズ オートマティック 4520V/210A-B128 41mmが新登場。

ヴァシュロン・コンスタンタンから昨年2023年の新作情報です。

今更の情報になるんですが、昨年11月にVCのラグジュアリースポーツモデル オーヴァーシーズがモデルチェンジしていました。

ルイヴィトン バッグスーパーコピー代引き 激安サイト第3世代の4500Vシリーズのマイナーチェンジと言ったところで大きく変更した点は無さそうです。


4500vリファレンスから4520vへと若干のアップデートが行われました。

注目すべき変更点は以下の通りです:

1. より薄いケース 10.69mm vs 11mm
2. 軽量化 159g vs 166g
3. よりアグレッシブなテーパーとクイックリリースシステムを備えた最新ブレスレット
4. 異なるローターデザイン

こちらのSNS投稿に説明がありました。

4520V/210A-B128と、旧モデル4500V/110A-B128。

パッと見の違いはありません。

新型の厚みは11mmからやや薄くなり10.69mmへ。

重さも新型の方が、やや軽くなりました。

ローターのデザインが変わった・・・?

確かに・・・旧型は穴あきローター、新型は金で埋まっています。

新型と旧型の位置が逆になりますが、テーパードしたブレスレットが新型となります(→こっち)。

ジュネーブシールもあり、ムーブメントもキャリバー5100と変わりありません。

価格は3,586,000円。

ストラップも3種類セットです。

その他カラーももちろん4520Vに変更しており、クロノグラフも5500V/110Aから5520V/210Aへと変わっていました。

パンダ文字盤だけ5500Vのままみたいですが、コレもそのうち変わるのかな?

4520V/210A-B128


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ブティック限定
オーヴァーシーズ・オートマティック
ジュネーブ・シール
4520V/210A-B128
サイズ 41 mm
厚さ 10.69 mm
ムーブメント 自動巻き
アクティブなライフスタイルにこの上なくぴったりなこのステンレススティール製の時計は、旅のスピリットに捧げるトリビュートとしての方位図からインスピレーションを得た、22Kゴールドのローター付きの自動巻きムーブメントを搭載しています。ヴァシュロン・コンスタンタンの象徴であるマルタ十字が、ベゼルとステンレススティール製のストラップのデザインにさりげなく表現されています。ステンレススティール、レザー、ラバーの3本のインターチェンジャブル・ストラップとクラスプで、お好みの時計にパーソナライズすることができます。

¥3,586,000 税込

ウォッチの仕様
ケース
素材 ステンレススティール
サイズ 41 mm
厚さ 10.69 mm
防水機能(気圧) 15
特殊性 耐磁性
ブレスレット
ブレスレットの数量 3
ブレスレットの素材 ステンレススティール, ポリッシュ/サテン仕上げ, Elasto NBR (ダークブルー)
文字盤
素材 ブラス
ウォッチ
重さ 159 g
生産国 スイス


キャリバー 5100
リファレンス 5100
エネルギー 自動巻き
サイズ 30 (13¼”’)
厚さ 4.7 mm
パーツ数 172
石数 37
パワーリザーブ(時間) 60
振動数 28800 V.P.H. (4 Hz)
表示 中央に秒表示, 分, 時, カレンダー表示
証明書 ジュネーブ・シール

4520V/210A-B126 シルバー

4520V/210A-B483 ブラック

まとめ


いががでしょうか?

「【2023年新作】ヴァシュロン・コンスタンタン オーヴァーシーズ オートマティック 4520V/210A-B128 41mm ¥3,586,000-」でした。

まとめてみるとブレスレットの形状が変わった、ケースが少し薄くなった、軽くなった。

これ以外はローターの穴が無くなったくらいでしょうかね・・・

公式にアナウンスがあったのか無かったのか今になってはよくわかりませんが、4500Vは旧型になったという事です。

セカンドマーケットの相場が大きく変わるようなことは無さそうですけど、気になった方は是非。

裏蓋には4520Vとか4500Vとか刻印がありますのでチェックしてみてください。

それではまた!

ブランパン × スウォッチ OCEAN OF STORMS “嵐の大洋” バイオセラミックが新登場。

ブランパン × スウォッチのコラボレーションモデル バイオセラミック スキューバ フィフティファゾムス に新色が追加ラインナップします。

70年以上前に初のダイバーズウォッチとなり、時計製造に革命をもたらしたブランパンのFifty Fathomsを称えるBioceramic Scuba Fifty Fathoms の6番目の時計、OCEAN OF STORMSは1 月 11 日、世界中の一部の Swatch ストアで販売されます。

ランゲ&ゾーネスーパーコピー代引き 激安サイト真っ黒で格好良い「これぞフィフティファゾムス」と言ったデザインは、おそらく「テコ入れ」なんでしょうね・・・全然話題になってませんから(笑)

私は2日前にホワイトカラーのANTARCTIC OCEAN SO35S100を買ったばかりですので複雑な気持ちで胸いっぱいですけど、素直にこの新作は格好良いと評しましょう。

原宿行くのが1週間遅ければ「こっち」買ってたよ!(当然ですがスタッフさんは「新作の情報はまったくありません」と仰ってましたけど)

名前の「OCEAN OF STORMS」は月の海「嵐の大洋(あらしのたいよう)」だそうで、なんだかスピードマスターに引っ張られちゃってる気もしますけれどね。

「オマエラ、コレガ好キナンダロ?」とスイスから言われて、ホイホイ飛び付いちゃう自分もいます。

スペックや価格は既存のモデルと変わりなく、限定モデルでもないようですが、販売店は日本だと銀座店のみだそうで、数は多く作らず枯渇させ「話題」が欲しいのだと思われます・・・。

なんだかんだで初期はプレミアム価格になるのでしょう。

OCEAN OF STORMS


OCEAN OF STORMS
このBlancpain X Swatchタイムピースは、最初の本格的なダイバーズウォッチ、ブランパンのFifty Fathomsへのオマージュです。ブラックのケースとクラウンにはBioceramic素材が使用されていて、ケースの左側に“Swatch”の文字が刻まれています。文字盤はサンレイブラックで、4時位置と5時位置の間には日付インジケーターが付いています。アワーマーカー、時針と分針、そしてベゼルの目盛は、グレード A Super-LumiNova®により、暗闇でも優れた視認性を実現しています。ブラックのBioceramic製の単方向回転ベゼルとバイオ由来素材のグラスは傷防止コーティング処理が施されています。SISTEM51機械式ムーブメントは透明なサファイアグラスのおかげで見えるようになっていて、「嵐の大洋」と呼ばれる月の表面の広大な平地とウミウシの一種Okenia Lunaのイラストがデジタルプリントされています。時計の裏面には、PASSION FOR DIVING – LICENCE TO EXPLORE – OCEAN BREATH – PROTECT WHAT YOU LOVE – IMMERSE YOURSELF といったインスピレーションを与える言葉が記されています。NATOストラップは使用済みの漁網をリサイクルして作られていて、ピンバックルとループにはBioceramic素材が使用されています。

¥ 60,500

OCEAN OF STORMS SO35B400
ケース素材: ブラックのBioceramicケースとクラウン
ケース径:42.3 mm
ケース厚さ:14.4 mm
ラグ間の距離:48.0mm
ムーブメント:SISTEM51機械式ムーブメント
防水:50 ファゾム(91 m / 300 フィート/ 9 気圧防水)
グラス: 傷防止コーティング処理が施されたバイオ由来素材
針、アワーマーカー、60 分 ダイビング目盛:グレード A Super-LumiNova®
ベゼル: ブラックのBioceramic素材の単方向回転ベゼル、傷防止コーティング処理が施されたブラックのインサート付き
ストラップ:使用済みの漁網をリサイクルして作ったNATOストラップ、ブラックのBioceramicのピンバックルとループ

SISTEM51
Bioceramic Scuba Fifty Fathomsコレクションの時計は、Swatchの機械式ムーブメントSISTEM51を搭載しています。中央ネジがわずか1本で、パーツが全部でたった51個なのが、このSwiss-madeメカニズムの特徴で、90時間パワーリザーブ、そしてNivachron™で作られたヒゲゼンマイのおかげで、完全な耐磁性を備え、高精度です。

まさにSwatch流で、透明なケースバックのおかげで、どのSISTEM51ムーブメントも裏面から見えるようになっています。Bioceramic Scuba Fifty Fathomsコレクションのすべての時計に、大洋とカラフルなウミウシのイラストが付いています。

THE NUDIBRANCH
Okenia Lunaはウミウシの一種で、体が幅広く、最高で12対の突起が付いています。乳白色に発光性の先端部があるのが特徴で、月にちなんだ名前が付けられています。

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BIOCERAMIC
Swatchによって開発され、特許取得済みのBioceramicは、3分の2が高級時計で使用されるセラミック、3分の1がヒマシ油を原料にしたバイオ由来素材を独自にブレンドしたもので、非常に耐久性があり、傷がつきにくく、シルキーマットな仕上がりになっています。

まとめ


いかがでしょうか?

「【2024年新作】ブランパン × スウォッチ OCEAN OF STORMS “嵐の大洋” バイオセラミック スキューバ フィフティファゾムス ¥ 60,500-」でした。

人気が無いですけど既存モデルたちも非常にグッドウォッチだと思います。

でもやっぱり「ブラック」欲しかったよね。

最初から人気に陰りが見えたらリリースする予定だったのでしょうけど、なんかズルいwwww

しばらくは買いにくいでしょうから私は2025年にでも買おうかと思います。

プレ値で買うほどじゃないですから(定価が6万円で買えるうちに買いたいけど)。

WIKIPEDIAで調べてみると月の「大洋」は1つだけ(月の海はたくさん)みたいなので、月関連はここでお終いでしょうか。

1/11 スウォッチストア銀座で販売スタートです。

気になった方は是非。

それではまた!

実機レビュー


いや~箱からして格好良い。

ややプラスチック感が強めですが、やっぱり格好良いですね。

これあったら他のカラーは要らないくらいグッドデザインです。

白を使ってて思いますが、少し大きいですけど軽いですし精度も大ブレしませんし、なにより可愛いしオススメです。ムーンスウォッチと1本ずつあれば楽しく安く使いまわしができて良いんじゃないですかね?特に若い方。アップルウォッチやG-SHOCKも良いけど、ブランパンスウォッチは自動巻きですし他人と被りません。

別冊で説明書き。

やっぱり黒。質感も悪くないですからね。

夜光もバッチリ。デイト表示もあまり目立たず使いやすそう。

完成度高くて6万円だから、皆さん絶対に買った方が良いですよ。間違いない。

黒は売ってたら絶対に買う。決めました。

もっと評価されても良い気がするんですけど、黒はSNSでも見かけますが他のカラーは本当に見ませんね。人気無すぎ。最近はムーンスウォッチもあまり見ませんし飽きるの早いな~。ね、ほらロイヤルカシオークなんて呼ばれてたG-SHOCKも見かけませんし、安い時計はブームの回転が異常に早い。

グランドセイコー SBGH317 メカニカルハイビート36000 銀座ライトパープル 銀座限定530本 40mmが新登場。

グランドセイコー SBGH317 メカニカルハイビート36000 銀座ライトパープル 銀座限定530本 40mmが新登場。

リシャールミルスーパーコピー代引き 激安サイト今年も大人気コンテンツ「銀座限定」モデルが登場です。

昨年・一昨年は6月7月でしたけど、今年は新年早々に発売決定。

新作の銀座ライトパープル SBGH317は、いつも通りのスペックです。

40mmのスティールケースにメカニカルハイビート36000(キャリバー 9S85搭載)、万人にフィットするのではないでしょうか?

今年は昨年より130本多く530本の限定販売、価格は847,000円と同額です。2024年1月19日(金)、グランドセイコーフラッグシップブティック 銀座・グランドセイコーフラッグシップブティック 銀座並木通り・グランドセイコーブティック 銀座・銀座三越 新館4階 ウォッチ・松屋銀座 時計サロン・日新堂 銀座本店で販売されます。

2024年のグリッドパターンは「まざまな形の建物が立ち並ぶさまを抽象的に表現」とあり、「冬の乾いた空気に包まれた銀座で、街の姿が静かに立ち現われる夜明け時ならではの独特な空気感を薄紫色のダイヤルで表現しました。」だそうですよ。

冬の夜明けは薄紫色なんですね。

とても綺麗です。

SBGH317


Heritage Collection
SBGH317
価格:847,000 円(税込)
駆動方式:メカニカル 自動巻(手巻つき)
駆動期間:最大巻上時約55時間持続
素材:ステンレススチール

ケース直径:40.0mm
発売予定日:2024年1月19日(金)
限定数量:530個(6店舗合計)
※数に限りがございますので、売り切れの際はご容赦ください。

銀座の静謐な夜明けをダイヤルに宿した限定モデル

この銀座限定モデルは、冬の乾いた空気に包まれた銀座で、街の姿が静かに立ち現われる夜明け時ならではの独特な空気感を薄紫色のダイヤルで表現しました。ダイヤルのパターンには、さまざまな形の建物が立ち並ぶさまを抽象的に表現した、このモデルならではの「銀座グリッドパターン」を採用。地図上で斜めに描かれる格子のような銀座の街をもとに、12時位置が北の方角と重なるようにグリッドをレイアウトしています。光の角度でそれぞれのグリッドが不規則に反射して輝き、ダイヤルに陰影を生み出します。ムーブメントには、「グランドセイコースタジオ 雫石」で熟練の匠の技によって組み立てられた10振動のメカニカルムーブメント「キャリバー9S85」を搭載しています。シースルーバック仕様の裏ぶたには、銀座限定モデルの証である「GINZA LIMITED EDITION」の文字が表記されています。

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まとめ


いかがでしょうか?

「【2024年新作】グランドセイコー SBGH317 メカニカルハイビート36000 銀座ライトパープル 銀座限定530本 40mm」でした。

・グランドセイコー銀座限定2023 銀座ネイビーブルー SBGH315 400本 847,000円
・グランドセイコー銀座限定2022 銀座スカイブルー SBGH297 260本 770,000円
・グランドセイコー銀座限定2021 華やかな銀座の夕暮れ SBGA447 200本 649,000円
・グランドセイコー銀座限定2020 SBGA425 250本 649,000円
・グランドセイコー 銀座通連合会100周年 限定モデル SBGA399 117本 561,600円
・グランドセイコー銀座限定2019 柳モチーフ 100本 SBGA409 637,200円

歴代の銀座限定モデルを見返すと、やはり2022年のスカイブルー(ターコイズブルー)が大人気でしたね。

今でもセカンドマーケットでは定価以上のプレミアム価格で販売されています。

ライトパープルもかなり珍しいカラーになりますので、どんな反応になるのか楽しみです。

来週金曜日1月19日から販売開始ですので、気になった方は是非。

レイモンド ウェイル「マエストロ」を着用レビュー。

今回テストしたのは、レイモンド ウェイルの「マエストロ」。ムーンフェイズ機能付きのオープンワークダイアルを備えており、12時位置の小窓により、常にテンプの鼓動が目に入る自動巻きドレスウォッチだ。スイスメイドを標榜した、今では数少ない家族経営がベースの独立系ウォッチメゾンの製品を、1週間程度の実使用でどのように感じたか?

レイモンド ウェイルの成り立ちと概要
レイモンド ウェイル マエストロ 2240-STC-J0655 

レイモンド ウェイルは、クォーツショック(同社ウェブサイトより)のさなか1976年に誕生した会社であり、現在も創業者一族が経営するという、コンセプトが明快な時計製造会社である。そのコンセプトとは、筆者なりの意訳を加えるとスーパーコピー時計代引き「いにしえからのスイス時計産業の伝統を守る方法によってスイスメイドの時計を作り、販売する」ということである。

「スイスの時計産業の伝統」を守るということ
クォーツショックとはスイス時計産業側から見た表記であると認識しており、逆に日本国内から見ればクォーツウォッチが世界を席巻し、スイスなどの機械式時計産業の在り方を変えたという意味で「クォーツレボリューションまたはクォーツ革命」であるが、本稿はレイモンド ウェイルのインプレッションであるため、この表現をそのまま記載する。

ブランドネームは創業者の名前そのもので、以降ファミリービジネスとしてブランドを拡大しつつ、独立を保ち続けている。

筆者が共感するのは、特に「スイスの時計産業の伝統」の部分である。1990年代の機械式時計の復興以降、「自社一貫生産、特にムーブメントが汎用品ではないマニュファクチュール」が他ブランドとの差別化のトレンドとなり、時計産業は巨大資本グループによる垂直統合が進む。今では多くのブランドがそれらのグループに所属しているのは読者の諸兄はよくご存じだろう。しかしそのようなブランド群も、戦前から戦後のある時期までは、ジュウ渓谷に点在するあまたあるパーツメーカーやムーブメントメーカーらの、各社が手掛けたパーツを取りまとめてひとつの製品に作り上げるという時計メーカーであったはずで、これこそがスイスの重層的な時計産業構造であった。例えば今もクルマメーカーはそのような産業構造であり、それぞれの機能部品に求められる機能・性能が極めて先鋭化されていることなどから、このような産業構造をとらざるを得ないと認識しているが、クルマなどと比べれば圧倒的に少ないパーツで組み上がる時計は、垂直統合が比較的容易であり、「自社一貫生産すなわちマニュファクチュール」という魔法の言葉に「高級時計はこうあるべき」というイメージを重ねるよう、各ブランドは広報してきた。端的に言えば、他社との差別化戦略としてこういう姿勢を積極的に広報してきたわけである。ところがレイモンド ウェイルはこの方法を志向していない。

クォーツショックさなかでの創業
また同社の創業が1976年ということもポイントだ。1970年代中頃と言えばまさに、スイス側から見ればクォーツショックが時計産業全体を席巻しているさなかであった。伝統的なスイスメイドウォッチのためには不可欠だったパーツサプライヤーは、生き残ったものもあれど、廃業に追い込まれたものも多かった。レイモンド ウェイルは、そのようなサプライヤー群の中で信頼でき、同社が求める品質を保ったパーツサプライヤーからパーツを求め、時計という製品にするという、いにしえからのスイス時計メーカー然としたスタイルで、時計のデザイナーでありコンダクターという位置付けで創業したのである。すなわちサプライヤーの保護・発展とともに、時計の産業構造そのものも保全するという健全な意思を強く感じ、この姿勢を非常に好ましく思った。むしろこの時期にあえて創業したというのは、冷静に考えれば正気の沙汰ではない。

リーズナブルなプライスで実現した時計にその思想は反映されているか
レイモンド ウェイル マエストロ 2240-STC-J0655 

レイモンド ウェイル「マエストロ」Ref.2240-STC-J0655
「マエストロ」は音楽に親和性の高いレイモンド ウェイルが2010年に発表したシリーズで、クラシック音楽の世界と、偉大な人物、作曲家、指揮者が持つ尊敬の念を称えるもの、とされている。自動巻き(Cal.RW4280)。2万8800振動/時。パワーリザーブ約38時間。SSケース(直径39.5mm、厚さ9.2mm)。5気圧防水。27万5000円(税込み)。
掲題のように、本作はリーズナブルなプライスで販売されている時計だ。では、同社の「いにしえからのスイス時計産業の伝統を守る」という思想は反映されているか? 結論から言うと「YES」である。

日本円で30万円アンダーの販売価格を実現する
レイモンド ウェイルは時計を設計し、パーツメーカーに発注する。そこには強固な信頼関係があることは疑いようがない。とはいえパーツメーカーも、そしてもちろんレイモンド ウェイルも、適正な利潤がない限り存続しえない。これらをコントロールするのはもちろんレイモンド ウェイル社であるが、日本円で30万円アンダーの時計を、どのような単価のパーツを組み合わせて実現するのか、といったところには価格が事実上青天井だった時代の超高級ブランドとは全く異なる苦労やノウハウがあるはずだ。価格でキャップされれば、あとはどこにどれだけのコストをかけるかというポートフォリオの話になる。一方で時計というひとつの製品になった時に適正なバランスが取れているか、ということも極めて重要である。よって個別のパーツのクォリティーなどに鑑みると、どういう思想でこの時計をデザインしたのか、ということが透けて見えてくる。価格キャップの時計はこういうところが特にメーカーの腕の見せ所であるのだ。

その点、垂直統合されたマニュファクチュールは上意下達のマネジメントが相対的には容易に実現できるのに対して、レイモンド ウェイルはパーツサプライヤー群と連綿たる関係性の上に成り立つバランスを保持しつつ製品としてもバランスを取りながら、やりたいことを実現するわけだ。こうしてできたのが「マエストロ」であり「ミレジム」である。

ディテールを見ると、レイモンド ウェイルの“腕前”が見えてくる
レイモンド ウェイル マエストロ 2240-STC-J0655 

光を文字盤に受けたショット。ギヨシェのシルバー文字盤と、針・インデックスおよびムーンディスクの深い青色が調和し、クラシックな上品さを醸し出す。ブレゲ針も非常に繊細である。
それではこの時計の詳細なディテールを見ていこう。

直径は39.5mm、厚さは9.2mmのステンレススティール製ケースを持つラウンドの時計である。センターセコンドでムーンフェイズ機能を持ち、12時位置に配された振動するテンプを目視可能なウィンドウが目を引く。このレイアウトを可能としたのが、心臓部のムーブメントCal.RW4280である。これは事実上セリタのCal.200系すなわちETA2824代替機に月相機能を付加したものであろう。自動巻きのローターもセリタの標準であり、これをレイモンド ウェイルのオリジナルにすることにはコストをかけていないわけだ。

レイモンド ウェイル マエストロ 2240-STC-J0655 

ムーブメントはトランスパレントバックから目視できる。セリタのCal.200改となるCal.RW4280を搭載し、パワーリザーブは標準のセリタよりもやや短い約38時間とされている。
では重点的にコストをかけているのはどこか。それはおそらく針と文字盤である。センターセコンド針は細くて伸びやかだし、控えめなブレゲ針も先端こそ曲げてはいないものの繊細な出来である。ミニッツハンドの先端は秒インデックスの内端にジャストで届き、セコンド針は秒インデックスの外端にジャストという文法を守っている。青焼きではないと思われるがその色調は、文字盤上のローマンインデックスによく調和しており、推測するにこのイメージをストラップの濃紺に重ねている。ムーンディスクの夜空にもマッチしており、おそらく異なるサプライヤーに発注しているこれらの色調やサイズなど、コーディネートが完璧である。すなわちレイモンド ウェイルは、やはり優秀なコンダクター(指揮者)なのだ。

シルバー文字盤は外側が細かい同心円で、内側がクル・ド・パリのギヨシェである。電鋳かプレスかは定かではないが、プレスだとしても相応にシャープな出来ということだ。価格に鑑みるとおそらくプレスではないかと想像する。ムーンフェイズの下半分は精緻な同心円で、ややファンシーな“Automatic”のフォントが軽やかだ。ブランド銘の下には“GENEVE”、文字盤下には“SWISS MADE”と生粋のスイスメイドであることを主張する表記があり、ブランドアイデンティティーを体現している。12時位置のオープンワークを見ると、その窓の断面はシャープであり、かつ右下部分のポリッシュされたフレームが良いアクセントになっている。この部分のポリッシュは文字盤において極めて重要であり、「ブラックポリッシュ」と言って良いほどの出来である。

ステンレススティール製ケースはベゼルに一段のアクセントがあるデザインで、ケースの横はやや膨らみがある。ラグは比較的短めで、10mmを切るケースの厚さとよくバランスしている。仕上げは全てポリッシュで、稜線なども目立つものではない。サテンなど手間のかかる仕上げの部分はなく、またバキバキに仕上げるようなことはしていないが、その控えめな仕上げによって、むしろ文字盤や針などに意識が向くような効果すら感じさせる。サファイアクリスタルの風防はフラットであり、時計の薄さを引き立てる方向性だ。ケースバックもフラットなサファイアクリスタル製で、ローターの動きなどを見ることができる。

フォールディングバックルも特筆すべき点
レイモンド ウェイル マエストロ 2240-STC-J0655 

フォールディングバックルが標準仕様で、バックル幅は16mmである。意匠的には凝っており、かつよく磨かれていて高い品質を感じさせる。ストラップには穴がなく、無段階で長さを調節可能だ。
ハイライトのひとつはフォールディングバックルであろう。ストラップに穴がなく、無段階で長さを固定することができるため、穴から劣化することの多いストラップの長寿命化が期待できるとともに、快適な装着感も期待できる。

ただし筆者は15cmの細腕のため、ストラップの長剣側の先端がケース内端に到達するほど巻かなくてはならず、結果的にバックルの位置がかなり手首のセンターからずれて必ずしも快適とは言えなかった。17cm程度の標準的な手首回り以上であれば、おそらく快適に装着できると思われる。このフォールディングバックルは“RW”の刻印も目立って重厚感あるもので、しっかりとポリッシュされており、品質は相対的に高い。

ストラップそのものは、コスト面の制約からか流石にエキゾチックレザーは使えずカーフの型押しである。ただしステッチが白でそちらに目がいきがちなため、型押し然としておらず高級感すら感じさせ、処理が上手いと感じた。前述した通り色は濃紺で針、ムーンディスク、インデックスの色と統一感がある。ただし筆者は着用している“革もの”の色は統一したく、黒または茶の方がベルトや靴と合わせる都合上、個人的にはコーディネートしやすいと感じた。

レイモンド ウェイル マエストロ 2240-STC-J0655 

ポケットショットはややカジュアルではあるも、オンタイムを想定した合わせ。厚さ9.2mmの薄型ドレスウォッチのため、カフへの収まりもよろしい。


装着感と操作感への所感
装着感そのものについては前述の通りストラップの長さが合わず快適とは言い難かったが、それは個人的な理由のため標準以上の手首の方であれば気にする必要はない。細腕の諸兄にとっては、特に短剣を1cm程度短いものに変えるとだいぶ印象が変わると思われる。

ムーンディスクについては、リュウズ一段引きの状態で反時計回りに操作(逆回転)することで早送り可能だ。リュウズの意匠はゴツく、巻真を回す抵抗が比較的大きいため、何回転も回すのは少々指が痛くなるものの、時間合わせ・ムーンディスク調整程度では十分に許容範囲だ。

時計の精度について記しておくと、受け取った当初この個体はマイナス1〜2秒/日を示したが、すぐに+10秒/日程度で安定した。十分に許容範囲だろう。

レイモンド ウェイル マエストロ .2240-STC-J0655 

オープンワークとムーンフェイズが6時・12時位置とセンターにあるためブランド銘は9時位置となる。細めのローマンインデックスは懐中時計のような繊細さも醸し出しており、安定感のあるデザインだ。

価格と品質のバランスに、堀内も納得!
レイモンド ウェイルの「マエストロ」をインプレッションした。高賃金が続くスイスの地で、メーカー創業時の理念を守り続けているレイモンド ウェイルの姿勢は賞賛に値する。コストの制約から作りたい時計をサプライヤーの協力を得ながらここまで高バランスの製品としてまとめ上げ、世に出している手腕はさすがだと感じた。ジュネーブ・ウォッチメイキング・グランプリ2023(GPHG2023)のチャレンジ賞でグランプリを獲得した「ミレジム」のヒットなど、上昇気流にあるレイモンド ウェイルの時計は、今後もますます目が離せない。

「タグ・ホイヤー フォーミュラ1」は、モータースポーツをルーツに持つスポーツウォッチコレクションである。

200mの防水性能と堅牢なケース構造を特徴とし、クォーツモデルから自動巻きモデルまで幅広いラインナップを展開している。本記事では、このコレクションの特徴や歴史的背景、各モデルの仕様を詳しく解説する。

再生を繰り返す度に洗練さを増す「フォーミュラ1 」の歴史
「タグ・ホイヤー フォーミュラ1」は、1986年に登場したタグ・ホイヤー初のコレクションであり、同年1月にTAG(Techniques d’Avant-Garde / テクニーク・ダヴァンギャルド)グループの傘下に入った後の、ブランド再構築の一環として開発された。すでに1978年に初のダイバーズウォッチを発表していた当時のホイヤー社は、1983年の秋以降、急激に世界の時計市場に登場した日本製の低価格のクォーツウォッチに対抗する手段を必要としていた。

そこでTAG傘下に入って早々の1986年に登場した「タグ・ホイヤースーパーコピー時計 代引き フォーミュラ 1」コレクションは、ダイバーズモデルを背景とした全く新しいスポーツウォッチ市場に向けたシリーズとなったのである。本コレクションは鮮やかなカラーリングとプラスチック等の軽量な素材を用いたケースデザインが特徴で、若年層やスポーツ愛好者をターゲットとしていた。またブランド再構築後の新生タグ・ホイヤーを象徴するコレクション名を「フォーミュラ1」と名付けたのには理由がある。1960年代から1970年代にF1レースのスポンサーシップ、特にフェラーリのスポンサーを展開したホイヤー社と、1979年から1981年までウィリアムズチームのメインスポンサーを務めたTAG社のふたつの歴史を踏まえてのことだった。


映画史に残る名優、スティーブ・マックイーン(1930~1980)は、自身も自動車やバイクの優秀なレーサーであった。セミドキュメンタリー風で撮影された映画『栄光のル・マン』(1971年)は、マックイーン自らがポルシェ・917Kを駆って撮影に臨んだ記録映画としての価値も高い。写真はガルフカラーのレーシングユニフォームに身を包んだマックイーン。右肩にはスポンサーの一社であるHEUERのロゴ、右手首には「モナコ」を着用。彼にこの時計を勧めたのは、当時ホイヤー・レオニダスの広告塔であったスイス人レーサーで、マックイーンの友人であるジョー・シフェールと言われている。
そんなタグ・ホイヤー フォーミュラ1の初代モデルは、グラスファイバーをコーティングしたステンレススティール製インナーケースを本体に組み合わせるという、この時代では革新的な構造を持ち、同時に従来の高級時計とは一線を画すカジュアルなデザインを実現していた。

また、200m防水や逆回転防止ベゼル、分単位のインデックスなどの実用的な機能を備え、日常生活や軽いスポーツシーンでの使用を想定したスペックとなっていた。また、1986年から1990年にかけての初代コレクションでは、ブラックやホワイトの他にレッド、ブルー、ピンクのグラスファイバー製ケースを揃え、これらにイエローやグリーンのベゼルを組み合わせるといった華やかなカラー展開を試み、当時の市場で大きな注目を集めることに成功した。

2004年には第3シリーズとして復活、現在に至る
その後タグ・ホイヤー フォーミュラ1は数回にわたるデザインのリニューアルを経るとともに、素材や機能面でも改良が加えられた。初期モデルの樹脂ケースからステンレススティールケースへの移行により、耐久性や質感が向上した他、初期モデルではハーレー・ロンダSA 705やESA 965.312モジュール、後期モデルになるとETA 955.412または955.414のクォーツムーブメント搭載モデルがラインナップされていたことに対し、後に自動巻きや、1989年にはクロノグラフコレクションも展開されるようになった。1998年には、クロノグラフコレクションを「シリーズ2」としてアップグレードする。

1999年にLVMH(モエ ヘネシー・ルイ ヴィトン)グループがタグ・ホイヤーを傘下に納め、その翌年の2000年に一度は休眠状態に入った当コレクションだが、2004年にデザインを一新しグレードアップした新たな「タグ・ホイヤー フォーミュラ1」コレクションが登場する。現在は第3シリーズとなった当コレクションは、タグ・ホイヤーのエントリーモデルとして位置付けられ、多様なバリエーションを持つスポーツウォッチとして幅広い層に支持されている。このシリーズは、実用性と手頃な価格を両立したデザインで、タグ・ホイヤーのラインナップの中でも重要な役割を担っているのである。

1987年の「タグ・ホイヤー フォーミュラ1」の広告ビジュアル。F1サーキットを疾走する赤白ツートーンカラーのマシンと、アイルトン・セナの勇姿を覚えている人も多いと思う。F1黄金時代を築いた功労者は1970~1980年代にかけて当レースを支えたタグ・ホイヤーと、1980年代のセナを抜きにしては語ることはできない。当時の日本でのセナの人気は凄まじく、某TV局の人気番組へのゲスト出演や、東京・青山のホンダ本社来訪時の周囲の大群衆(主に女性)はハリウッドスター並みかそれ以上だった。

タグ・ホイヤー フォーミュラ1が選ばれる理由
「タグ・ホイヤー フォーミュラ1」は、スポーティーなデザインと実用的な機能を備えた時計として評価されている。このコレクションは、モータースポーツにインスパイアされたデザインと、日常使いに適した機能性が特徴で、幅広いユーザー層に支持されている。

スポーティーなデザインと機能性の融合
F1レースのスポンサーやフェラーリとの公式パートナーシップ、2016年以降はオラクル・レッドブル・レーシングF1チームの公式タイムキーパー兼パートナー契約等、モータースポーツの世界と深い関係を結んできたタグ・ホイヤー。当ブランドを代表するコレクション「タグ・ホイヤー フォーミュラ1」は、スポーティーなデザインと実用的な機能を備えた時計として評価されている。このコレクションは、モータースポーツにインスパイアされたデザインと日常使いに適した機能性が特徴だ。計時機能のみならず、200m防水や耐衝撃性といった実用性を持ち合わせるので、スポーツやアクティブなライフスタイルにも対応できる。これらの機能は、時計初心者でも扱いやすいだけでなく、日常生活のさまざまなシーンで役立つ。

デザイン面では、F1マシンやレーシングスーツを彷彿とさせるタキメーターベゼルや、視認性に優れたインデックス、大胆なカラーリングが採用されており、動きのある日常に寄り添う設計だ。

時計のデザインにおけるスポーティーさと実用性の両立は、タグ・ホイヤーのエンジニアリングや素材選定の技術が反映されており、同社の大きな強みと言える。

このような特徴が「フォーミュラ1」の独自性を引き立てており、スポーティーなライフスタイルを求める人々からの支持を集める理由のひとつとなっている。

タグ・ホイヤー フォーミュラ1
タグ・ホイヤー「タグ・ホイヤー フォーミュラ 1 クロノグラフ x オラクル・レッドブル・レーシング」Ref.CAZ101AZ.FT8090
2005年からF1に参戦しているレッドブル・レーシングと、2022年に当レーシングチームのメインスポンサーになった米IT大手企業オラクル。両者の名を冠したコラボレーションモデルが世界限定3000本の「タグ・ホイヤー フォームラ1 クロノグラフ × オラクル レッドブル レーシング」。微粒子加工のファイングレイン仕上げされたブルーダイアルには、マシンのボディカラーと同じブルー、オレンジ、イエローの彩色が施され9時側にはオラクルのロゴを印刷。クォーツ。SSケース(直径43mm、厚さ12.4mm)。200m防水。世界限定3000本。35万7500円(税込み)。
手に取りやすい価格帯と品質のバランス
 タグ・ホイヤー フォーミュラ1は、タグ・ホイヤーのコレクションの中でも比較的手頃な価格帯に位置するモデルである。価格を抑えつつも、素材や仕上げの品質は高級時計としての基準を満たしており、初めて高級時計を購入する人にとってエントリーモデルとして最適である。

また、カジュアルな用途に適したデザインと価格設定が、幅広い層からの支持を得る要因となっている。時計に馴染みのない初心者にとっても購入しやすく、それでいて「高級時計を所有する喜び」を感じられる絶妙なバランスを提供している。

この価格帯と高級感のバランスが、「フォーミュラ1」を日常使いの時計として広く受け入れられている要因のひとつだ。

長期使用を可能にするメインテナンス体制
高品質な時計を長く使用するには購入後のメンテナンスは欠かせない。このメンテナンスの体制をタグホイヤーは備えており、正規サービスセンターでは修理やオーバーホールなどの定期メンテナンスを安心して依頼することが可能だ。時計を長期間にわたり使用するための環境が整備されているのだ。

さらに、公式サイトでは防水性能の維持や磁気への対策など、日常の時計のケア方法を詳しく解説。時計初心者でも日々の適切な手入れを行うことができ、時計を最良の状態で保つことが可能である。サポート体制が充実している点でも、本コレクションが長く愛用される理由となっている。

タグ・ホイヤー フォーミュラ1

タグ・ホイヤー「タグ・ホイヤー フォーミュラ1 クロノグラフ アイルトン・セナ」Ref.CAZ201D.BA0633
“音速の貴公子”と呼ばれ1980年代には日本でも絶大な人気を誇ったF1名ドライバー、アイルトン・セナ。その彼の名を冠したトリビュート・スペシャルエディションモデルが「タグ・ホイヤー フォーミュラ1 クロノグラフ アイルトン・セナ」だ。マクラーレン・ホンダのレッド&ホワイトのマシンを操り、好敵手ナイジェル・マンセルとの激戦は今でも記憶に残る名勝負だ。クロノグラフのスタート/ストップボタンとリュウズ、インダイアル等に彩られたレッドがセナのレースカーを想起させ、ベゼルの12時位置には“ダブルS”のセナのロゴが入る。またケースバックにはセナが愛用したヘルメットを刻印。彼の母国語であるスペイン語で書かれた“NACIONAL”の文字を見ると、グリーンとイエローのブラジルカラーでペイントされた彼のヘルメットが目に浮かんでくる。自動巻き(Cal.16)。2万8800振動/時。パワーリザーブ約42時間。SSケース(直径44mm)。200m防水。56万6500円(税込み)。

「タグ・ホイヤー フォーミュラ1」3つの基本ラインナップ
現代のタグ・ホイヤー フォーミュラ1コレクションは、多様なニーズに応える幅広いラインナップを展開している。それぞれのモデルは、異なる特徴と魅力を持ちながら、コレクションとしての一貫性を保っている。

クォーツモデル
クォーツモデルは、高精度な時間計測と実用性を重視するユーザー向けに設計されている。タグ・ホイヤーの他のラインに比べて手頃な価格帯でありながら、ブランドの品質と信頼性を兼ね備えている。

特に、日常生活で求められる正確な時間管理を提供し、ビジネスシーンからカジュアルな場面まで幅広く対応するのが特徴である。

このタイプのモデルは定期的な電池交換のみで動作を維持できるため、機械式時計と比較してメンテナンスが容易で初心者にとっても扱いやすい。

また、200m防水や耐衝撃性といった実用的なスペックを備え、スポーティーな外観だけでなく実際のアクティブなライフスタイルにも適している点が大きな魅力である。

デザイン面では、クリーンで視認性の高いインデックスやタキメーターベゼルが採用され、F1マシンを彷彿とさせるダイナミックな印象を与える。軽量で使いやすく、機能性を重視するユーザーから支持を得ている。

自動巻きモデル
自動巻きモデルは、回転するローターが備わった機械式ムーブメントを搭載している。このローターの回転運動を利用して主ゼンマイが自動で巻き上がるため、機械式の趣味性を楽しみつつ、日常で使いやすいバリエーションとなっていることが特徴だ。伝統的な時計製造技術とモダンなデザインが巧みに融合しており、時計そのものの動作を楽しむ機械式時計ならではの魅力を提供している。

自動巻きモデルにはクロノグラフ機能を搭載したものもラインナップされており、計時機能とスポーティーなデザインによって、モーターレースとつながりが深いタグ・ホイヤー“らしさ”を楽しめると言える。

また、ケース素材や仕上げにおいても高品質で、カジュアルなシーンからフォーマルな場面まで幅広く活躍する。

これらの特性により、機能美とスタイルを求めるユーザーにとって魅力的な選択肢となっている。

限定エディション
タグホイヤー時計コピー 代引き「フォーミュラ1」コレクションには、特別なイベントや他ブランドとのコラボレーションを基にした限定エディションが展開されている。これらのモデルは通常のラインナップとは一線を画す仕様や独自のデザイン要素を備えており、マニア心をくすぐる。

例えば、ライフスタイルブランド「Kith」とのコラボレーションモデルでは、1986年に発表されたオリジナルデザインを現代的な素材やカラーリングで再解釈したモデルが注目を集めた。

この限定モデルは10種類のカラーバリエーションが用意され、そのうち7つはKith専用、3つはタグ・ホイヤー専用として販売。大胆な色彩と近代的な素材の融合は多くのコレクターや時計ファンに支持されることとなった。

2025年に発売された「G-SHOCK」の中から特に反響が大きかったものを振り返る。

1981年のプロジェクトチーム発足以来、耐衝撃構造を追求し腕時計にタフネスという新しい概念を築きあげたG-SHOCKは、さらなる高みを目指し、構造、素材、機能あらゆる面で進化を続けている。2025年は、日本刀をモチーフにした「MRG-B2000JS」や時計事業50周年を記念した限定モデルなどが発表されている。

数多いG-SHOCKの限定品から、特筆したモデルを紹介
年間で多くのモデルがリリースされる「G-SHOCK」シリーズ。登場以来、世界中のファンに愛され、コレクターも存在する。時計にタフネスという新しい概念を築き上げた存在として、お気に入りのTシャツを買うような気持ちで選び、集める楽しみがある。年号の入ったモデルや限定性の高いモデルは抽選の競争率も高く、スーパーコピー代引き 激安お客様に提供します構造、素材、機能のあらゆる面で進化を続けるG-SHOCKの中から特に反響が高かった2024年限定モデルを振り返る。

日本刀が持つ強さと美しさを表現した「MRG-B2000JS」
MRG-B2000JS-1AJR

最上位コレクション「MR-G」のために製作された日本刀「重力丸・燦」をモチーフにした特別モデル。外装には日本刀の意匠がちりばめられ、この意匠の実現のために、特許出願中の新技術を含む、カシオの最先端技術が投入された。税込み110万円と過去のコレクションの中でも高い価格設定で、多くのディテールが時間をかけて作られている。

これまでも「MR-G」は日本の武具をテーマとして扱ってきたが、それは道具でありながらも美しさを追求するという点で共通点が見られるからだ。日本刀の刃文や地鉄(じがね)をイメージしたベゼルやブラックカラーに彩られた再結晶化ハイブリッドチタンの質感も鑑賞ポイントである。機能性と美を共存させる上質なつくりに注目したいファン垂涎のモデルだ。

MRG-B2000JS-1AJR
カシオ「G-SHOCK」Ref.MRG-B2000JS-1AJR
タフソーラー。フル充電時約26カ月駆動(パワーセーブ時)。Tiケース(直径49.8mm、厚さ16.9mm)。20気圧防水。世界限定800本。110万円(税込み)。
カシオウオッチ50周年記念モデル「GMC-B2100ZE-1AJR」
GMC-B2100ZE-1AJR

2024年10月に世界限定800本で発売されたGMC-B2100ZE-1AJRは、「GMC-B2100」をベースとする、カシオの時計事業50周年を記念したモデルである。このGMC-B2100は、“カシオーク”の愛称で親しまれる「2100」シリーズの八角形デザインを継承しつつ、ダイアルにクロノグラフレイアウトを与えることで、よりスポーティーな印象が与えられたフルメタルG-SHOCKだ。

「0から1を生み出すものづくりの精神」をテーマに、新たな価値を生む「はじまりの灯火」をイメージし、黒とゴールドで表現している。「50th ANNIVERSARY」がレーザー刻印されたアニバーサリーモデルである。

GMC-B2100ZE-1AJR カシオ G-SHOCK 50周年 クロノグラフ
カシオ「G-SHOCK」Ref.GMC-B2100ZE-1AJR
クォーツ。SSケース(直径46.3mm、厚さ12.4mm)。20気圧防水。世界限定800本。12万1000円(税込み)。
空と海を表現した限定モデル「GMW-B5000SS」
GMW-B5000SS
2024年6月に発売された時計事業50周年を記念したブランド横断ラインナップ企画のうちの1本で、G-SHOCKのオリジンとなるデザインをフルメタル化した「GMW-B5000」をベースに、ベゼルにブルーを配し、ゴールドのアクセントカラーが映える。フェイス外周部にはカシオトロンをオマージュする縦縞のフルーテッドデザインを採用している。

この企画のデザインテーマには空と海が掲げられており、時刻だけでなく、月・日・曜日まで正確に表示する完全自動腕時計をコンセプトに進化を続けてきた姿勢を普遍的でありながらも、常に変化を続ける空と海に重ねている。

GMW-B5000SS
カシオ「G-SHOCK」Ref.GMW-B5000SS
タフソーラークォーツ。フル充電時約22カ月駆動(パワーセーブ時)。SSケース(縦49.3×横43.2mm、厚さ13.0mm)。20気圧防水。9万3500円(税込み)。
暗雲と稲妻を表現した「MTG-B2000YST-1AJR」
MTG-B2000YST-1AJR
「MTG-B2000」シリーズの中から11月に登場したのは嵐が迫る空の表情を描いたグラデーションIPベゼルを備えたモデルだ。カーボンとグラスファイバーのシートを重ね合わせ、複雑形状に削りだしたベゼルフレームを採用している。ホワイトのレイヤー層に施された蓄光処理が闇を切り裂く稲妻のように光を放つ。バンド部分はしなやかで耐久性の高いソフトウレタン素材が採用されている。

異なる色の樹脂を混ぜ合わせて成形することで、スーパーセルやダウンバーストなどの異常気象、黒雲、突風、竜巻など激しい天候を表現している。MT-G独自のデュアルガード構造により、耐衝撃構造、耐遠心重力性能、耐振動構造のTRIPLE G RESISTに対応している。

MTG-B2000YST-1AJR
カシオ「G-SHOCK」Ref. MTG-B2000YST-1AJR
タフソーラークォーツ。フル充電時約29カ月駆動(パワーセーブ時)。SSケース(縦55.1×横49.8mm、厚さ15.9mm)。20気圧防水。18万7000円(税込み)。
宇宙に輝く散光星雲をモチーフにした「MTG-B3000DN-1AJR」
MTG-B3000DN-1AJR
「MTG-B3000」シリーズのスペシャルモデルとして5月に登場したのが「MTG-B3000DN-1AJR」だ。宇宙空間に輝く散光星雲をモチーフにデザインされている。ステンレススティールベゼルのブルーとパープルのグラデーションIPコーティングが印象的なモデルだ。50mmオーバーのケースサイズはかなり存在感があり、華やかな印象もあるが、着用してみると意外と馴染むのもブラックベースでデザインされていることにあるだろう。

MTG-B3000DN-1AJR
カシオ「G-SHOCK」Ref. MTG-B3000DN-1AJR
タフソーラー。フル充電時約18カ月駆動(パワーセーブ時)。SS×カーボンファイバー強化樹脂ケース(縦51.9×横50.9mm、厚さ12.1mm)。20気圧防水。17万6000円(税込み)。
五十嵐カノア シグネチャーモデル第3弾「GLX-5600KB」
GLX-5600KB

「TEAM G-SHOCK」のプロサーファー五十嵐カノアのシグネチャーモデルの第3弾だ。ストラップとベゼルに2色のバイオマス樹脂を混ぜ合わせた動きのあるデザインとなっている。全体をブラックにしながらフェイスにはチャンピオンカラーであるゴールドを配色、ブラックのバンパープロテクションが施されている。シンプルでありながら存在感のあるレトロ感もありつつスタイリッシュなモデルだ。

素材には環境負荷低減が期待されるバイオマスプラスティックが採用され、角型フェイスの中央上部とバックライト、裏蓋には五十嵐カノアのサイン、バンド根元にはCTゼッケンナンバーの50があしらわれている。機能面では潮の状態を確認できるタイドグラフと、大潮などの時期が分かるムーンデータを搭載しており、サーファーにとって必要な情報を確認できる。

GLX-5600KB
カシオ「G-SHOCK」Ref. GLX-5600KB
クォーツ。樹脂ケース(縦46.7×横43.2mm、厚さ12.7mm)。20気圧防水。2万2000円(税込み)。
八村塁シグネチャーモデル第4弾「GBM-2100RH」
G-SHOCK カシオーク 八村塁

9月に発売になったのは北米プロバスケットボールリーグで活躍する八村塁のシグネチャーモデルだ。八村塁とG-SHOCKは2019年からグローバルパートナーシップ契約を締結しており、本作でコラボレーションモデルの発表は4作目となる。

八角形のメタルベゼルが特徴で、スマートフォンリンクやタフソーラーを搭載した「GBM-2100」を八村塁選手のシグネチャーモデルとして初めて採用し、バスケットボールコートの特徴を表現している。ゴールドの文字盤に、八村塁がプレーを得意とするゴール下のエリアをホワイトでデザインしたほか、コートの木目を透明印刷し、ショットの制限時間を表すショットクロックをイメージした液晶仕様が採用されている。8時位置ボタンには「八」が刻印され、遊環とパッケージにも「八」と日本刀のシルエットを組み合わせてHachimuraの「H」をシンボル化したロゴが配されている。

G-SHOCK GBM-2100RH
カシオ「G-SHOCK」Ref. GBM-2100RH
タフソーラー。フル充電時約18カ月駆動(パワーセーブ時)。SS+樹脂ケース(縦49.3×横44.4mm、厚さ11.9mm)。20気圧防水。4万8400円(税込み)。
ITZYコラボモデル「GMA-P2100IT-4A/GMA-P2100IT-7A/GMA-P2100ZY-1A」
G-SHOCK「GMA-P2100IT-4A」「GMA-P2100IT-7A」「GMA-P2100ZY-1A」

G-SHOCK「GMA-P2100IT-4A」「GMA-P2100IT-7A」「GMA-P2100ZY-1A」
クォーツ。樹脂ケース(縦46×横40.2mm、厚さ11.2mm)。20気圧防水。各1万9800円(税込み)。
韓国出身の5人組ガールズグループ「ITZY(イッチ)」とのコラボレーションモデルが3月に発売された。自分らしさを大事にしたパワフルな楽曲やクールなパフォーマンスといったITZYの魅力がタフネスをブランドコンセプトとするG-SHOCKのイメージと相通じることから、カシオは彼女たちを2023年2月よりアンバサダーに起用している。

八角形ベゼルが特徴の「2100」シリーズの小型モデル「GMA-P2100」がベースとなっており、ベーシックなカラーリングを基調にITZYのクールなイメージを表現している。文字盤と裏蓋にはITZYのロゴが入り、5人のサインがプリントされたスペシャルボックスに収められる。

G-SHOCK ITZYコラボ

サーフライダーファウンデーションコラボモデル「G-5600SRF」
G-5600SRF

「G-5600SRF」は海岸環境の保護活動を行う団体「サーフライダーファウンデーション」とのコラボレーションモデルとして、6月に発売された。同団体は1984年にカリフォルニアで発足し、現在は世界23カ国で活動、約25万人のメンバーがいる国際環境NGOである。「愛する海を守り、美しい海を未来に残していく」という理念に共感し、多くのサーファーに愛されるG-SHOCKと1995年から2010年の間に全7回のコラボレーションを行ってきている。

本作で8回目になるコラボレーションモデル「G-5600SRF」はカシオ計算機の製造工程において発生する廃プラスティックをベゼルとプラスティックにリサイクルした。ベースとなるウレタン材と混合成型し、ブラックとホワイトのフレーク材が生み出す風合いを楽しむことができる。

G-5600SRF
カシオ「G-SHOCK」Ref.G-5600SRF
人気のロレックススーパーコピー 代引きタフソーラー。フル充電から約22カ月駆動(パワーセーブ時)。樹脂ケース(縦46.7×横43.2mm、厚さ12.7mm)。20気圧防水。1万9800円(税込み)。
ICERC Japanコラボレーション「イルカクジラ」30周年記念モデル
イルカクジラ

2024年は多くのファンに愛され“イルクジ”の愛称で親しまれる「ICERC Japan」とのコラボレーションモデルの30周年記念イヤーだった。本作はクジラ愛好家として知られるホエールアーティストの「あらたひとむ」氏が描き下ろした30頭のイルカまたはクジラのイラストが散りばめられているバンド部分には「ICERC Japan」のロゴが配され、バックライト点灯時にも液晶に「GMD-W5601K」にはイルカ、「GW-8201K」「GW-6904K」にはクジラのイラストが浮かび上がる。

ボディ部分は夏らしい爽やかなホワイトを採用し、随所にあしらわれたゴールドのアクセントカラーや裏蓋に刻印した「Love The Sea And The Earth」のシンボルマークなど、記念モデルにふさわしい特別感を演出している。

ウニマティックのコレクションにツールウォッチシリーズが追加

ウニマティックは先週、ブランドにとってふたつ目のパーマネント(定番)コレクションとなるファン待望のツールウォッチシリーズを発表した。このシリーズは2種類のモデルを軸とした合計4つのバリエーションで構成されており、すべてがクォーツ式でMIL-STD-810基準(米国国防総省が制定した軍用製品調達時に使用される基準)のミルスペックを満たしている。そしてフィールドウォッチまたはダイバーズウォッチのスタイルで、ウニマティックにおいてなじみ深い端正かつ洗練された美観を表現しつつ、タフで価値のある日常使いのツールウォッチを提供することを目指している。

口コミ第1位のオーデマピゲ スーパーコピー 代引き専門店ツールウォッチシリーズは350ユーロ(日本円で約5万8500円)からスタートし、フィールドウォッチスタイルのモデル(モデロ クワトロ UT4およびUT4-GMT)と、ダイバーズウォッチベースのモデロ ウノ UT1およびUT1-GMTがラインナップされている。主なスペックは以下のとおりだが、UT4のサイズは直径40mm、UT1は直径41.5mm(これはベゼルを含めたサイズで、ケース自体は直径40mm)だ。すべてのモデルは300mの防水性能とサファイアクリスタル、クローズドケースバック、スーパールミノバ®️に22mm幅のラグを持ち、そしてラグからラグまでが49mmとなっている。

 各リファレンスの名称を見れば明らかなように、どちらのバージョンもセイコーの VH31クォーツムーブメントを搭載した時刻表示のみのモデルか、ロンダ515.24Dクォーツムーブメントで駆動するGMTモデル(ダイヤルの6時位置にデイトと12時位置にデジタル表示のクールなGMT窓を装備。どちらもあまり目立たない)から選択可能だ。またムーブメント由来の機能に加えて、UT1は60分のカウントダウンベゼルも備えている。

unimatic tool watch
 最後にそのほかのスペックについて。この新しいシリーズは1.22m(約4フィート)の高さからコンクリート面への26回の落下試験など過酷な耐久性テストをクリアしており、すべてMIL-STD-810基準のミルスペックを満たしている。ウニマティックによると、ケースのエッジ、表面、角ごとに各1回ずつ落下テストを行っているのだという。さらにケース内部のムーブメントの保護については、ウニマティックが360° プロテクションシステムと呼ぶ特別なムーブメントホルダーによってなされている。

 価格はUT4が350ユーロ(日本円で約5万8500円)でUT1が425ユーロ(日本円で約7万1000円)、UT4-GMTが450ユーロ(日本円で約7万5000円)、UT1-GMTが525ユーロ(日本円で約8万7600円)である。米ドルで考えると昨今のレートでは約380ドルから570ドルの範囲になるが、ウニマティックの米国小売業者が最終的な価格を決定することに留意すべきだろう。

我々の考え
多くの人がクォーツウォッチを軽くみていることは承知しているが、このシリーズはデザイン的に優れていると思うし、シンプルなクォーツムーブメントを採用するというバリュー感を重視したアプローチが気に入っている。もしかしたら、この時計があなたにとって初めてのツールウォッチになるんじゃないだろうか? 普段はオフィスでドレスウォッチを身につけているが、週末には手軽で楽しいものが欲しいと思うかもしれない。または過酷な場所に赴いて厳しい作業に取り組むために、正確で信頼性が高く、控えめな見た目の時計を求めることもあるかもしれない。クォーツウォッチはシーンや場所を選ばず使用できるだけでなく、特定の価格帯での選択として理にかなっている。

unimatic tool watch
 機械式時計で得られる体験をすべて捨ててまでクォーツウォッチを選ぶべきだとは思わないが、どんな時計コレクションにあってもこの手軽な選択肢は決して邪魔にならない。また、ツール系クォーツウォッチの愛好家として、ウニマティックらしいスタイルとクォーツならではの気取らない特性(ご存じのとおり、オプションで選べるGMT機能とオレンジのアクセントも大好物だ)がミックスされたこの時計は文句のつけようがないと思っている。

 価格については妥当だと思うが、驚くほどではない。お値打ち感はあるが堅実なクォーツウォッチはより安価に見つけることもできるし、今回採用したムーブメントのどちらも高精度を主張するものではない(クォーツウォッチの精度に対する、個人的な好みの問題だが)。

unimatic tool watch
unimatic tool watch
unimatic tool watch
 ウニマティックの標準的な機械式時計が、非常に近しい価格から用意されていることにも注目すべきだ(U2 クラシックは7万3700円、U1 クラシックは9万3500円)。どちらもCal.4R35によく似たセイコー製のCal.NH35Aを採用している。それでも僕はCal.NH35Aの使用感よりクォーツの高精度を好ましく思うだけでなく、ツールウォッチシリーズ全体に共通する美観もミニマルなクラシックシリーズより気に入っている。あとこれは雰囲気と好みの問題だが、UT1のアラビア数字と1分刻みで目盛りが配されたベゼルは本当に素晴らしい。

unimatic watch
 ツールウォッチと呼ばれる時計は使いやすく、着用が簡単で、頑丈で信頼できるものでなければならない。ウニマティックの新しいツールウォッチシリーズはそのすべての要件を満たしているように見える。

 しかし悩ましい。この4本のうちどれを次の冒険に持って行くべきか、またはキッチンに向かう途中で近くのドアの桟(さん)にうっかりぶつけたりしてみたいか……。

基本情報
ブランド: ウニマティック(Unimatic)
モデル名: ツールウォッチシリーズ(全4本)

モデロ ウノ UT1: 40×13.2×49mm (ベゼルまで含むと41.5mm)、セイコーVH31(クォーツ式)
モデロ クワトロ UT4: 40×12×49mm、セイコーVH31 (クォーツ式)
モデロ ウノ UT1–GMT: 40×13.2×49mm(ベゼルまで含むと41.5mm)、ロンダ515.24D(クォーツ式)
モデロ クワトロ UT4–GMT: 40×12×49mm、ロンダ515.24D(クォーツ式)

ケース素材: ステンレススティール
文字盤色: ブラック
夜光: スーパールミノバ®️ C1
防水性能: 300m
ストラップ/ブレスレット: ブラックナイロン製ツーピースストラップ

unimatic tool watch
ムーブメント情報
キャリバー: セイコー VH31
機能: 時・分・秒表示
パワーリザーブ: 24カ月
精度: ±15秒/月
追加情報: 1600A/mまでの耐磁性

キャリバー: ロンダ 515.24D
機能: 時・分・秒表示、GMT表示
パワーリザーブ: 45カ月
精度: −1〜+20秒/月
追加情報: 1600A/mまでの耐磁性

価格 & 発売時期
価格:
モデロ ウノ UT1: 425ユーロ(日本円で約7万1000円)
モデロ クワトロ UT4: 350ユーロ(日本円で約5万8500円)
モデロ ウノ UT1–GMT: 525ユーロ(日本円で約8万7600円)
モデロ クワトロ UT4–GMT: 450ユーロ(日本円で約7万5000円)

パテック フィリップ Ref.2497:パテック初のセンターセコンド・パーペチュアルカレンダー

時計コレクターのなかには、ストライクゾーンの広い人もいれば、完璧主義者もいる。ヴィンテージのパテック フィリップに関しては、前者でいるほうが後者よりもはるかに簡単だ。その例のひとつとして、パテックの最も象徴的でありながら見落とされがちなリファレンスのひとつ、Ref.2497について話をしたい。

 Ref.2497は、パテック初の量産型センターセコンド・パーペチュアルカレンダーである。率直に言って、このモデルのデザインは奇抜であり、あえて言わせてもらうなら、パテックのパーペチュアルカレンダーのなかでも私のお気に入りというわけではない。今になってみれば、この記事の執筆にこれほど多くの時間を費やしたのはおかしな話だが、すべてはオンラインで簡単に答えが見つからなかったひとつのシンプルな疑問から始まった。しかし私でさえ、このリファレンスには形容し難い魅力があると認めざるを得ない。パテックの “ファースト”を冠するモデルには、少なくともじっくり見る価値があるのだ。

(シンプルに徹したダイヤルが持つ)ドレッシーさと(センターセコンドとエナメルミニッツトラックの)スポーティさの中間に位置付けられるこのケースは、クロノグラフプッシャーを廃したRef.2499の“実質コピペ”(あるオークションハウスが実際そう表現している)である。しかし、センターセコンドを持つパーペチュアルカレンダーは、パテックがRef.2497の製造中止以降30年間放擲(ほうてき)してきたデザインでもあり、ある意味、それが魅力に拍車をかけている。しかしそれ以上に重要なのは、数々の魅力的でユニークなバリエーションであり、逸話的にはこの時代のほかのどの複雑機構を持つパテックよりもはるかに玉数が多いとされているということだ。これらはマーケットにおいて注目すべき成果を上げただけでなく、どのコレクションにとっても素晴らしい要となることだろう。

パテック フィリップスーパーコピー代引き 優良サイトRef.2497とよく似た防水ケースのRef.2438/1と合わせ、1951年から1963年までの12年間に2種類の通常ダイヤルバリエーションと2社のケースメーカーによる個体が、わずか179本しか製造されなかった(ただし、私が見たパテックのアーカイブには、1959年以降に製造された時計は1本を除いて記載されていない)。内訳はRef.2497が114本、Ref.2438/1が65本であった。この総数は、当時のほかの非常に複雑なモデルとは異なり、888,000から始まる特別な専用ムーブメント番号が採番されていたため、容易に割り出すことができる。Ref.2497はまた、より長寿のアイコニックピースであるRef.2499の初期モデルの生産時期に符号する。しかし1964年までには、Ref.2497とRef.2438/1の両方がパテックのカタログから姿を消した。

Patek 2497 yellow gold
ドイツ語表記カレンダーを搭載した唯一のパテック フィリップ Ref.2497J。

 では、ヴィンテージパテックにおいて“完璧主義者”になることがいかに難しいかを示す好例がRef.2497と言える理由は何だろうか。114本製造されたうちのほとんどがイエローゴールド(YG)製であった。希にピンクゴールド(PG)製(約20本)、ホワイトゴールド(WG)製(3本)、プラチナ製(2本)が存在するが、いずれも37mm前後(コンマmmの誤差は割愛)、厚さは12~13mm程度である。Ref.2497はパテックの“プレミアム”モデルの最終型であり、ホワイトメタルはあまり採用されなかった。Ref.3448の登場により、ホワイトメタルはより一般的に採用されることとなった。

 2024年までに56本が市場に流通した。現代の価格は外れ値の約15万ドル(日本円で約2300万円)から300万ドル(日本円で約4億6175万円)超まで幅があり、現在は平均35万ドル(日本円で約5390万円)前後で推移している。2本のホワイトメタルの個体は数百万ドルの値がつき、特にコレクターのあいだで人気が高い。少なくともさらに7本の希少かつユニークピースで、重要な個体を含めた“全バリエーション”を手に入れようと思えば、数千万ドルの出費が必要だろう。しかしそれでも素晴らしいコレクションを築くことは可能だ。

 本稿は、2024年初めにモナコで4種類のケース素材のうち3つを同時に見るという幸運な機会に恵まれたことに端を発している。この3本の時計を所有していない限り(実際、所有している人物がいる。Instagramで@theswisscaveauと名乗る友人のデイブその人である)、博物館以外でRef.2497のケース素材違い3本が一堂に会すことはまずないだろう。

Patek 2497 first series in yellow, white, and rose gold
Instagramで@theswisscaveauと名乗るデイブのコレクション。

 Ref.2497の生産様式としては、ダイヤルデザインとケースメーカー別のふたつに大別でき、それぞれに第1世代と第2世代が存在する。オークションハウスのカタログやディーラーのリストでは、ほとんどの場合、ダイヤルデザインによってふたつの世代に分けられる。むべなるかな、Ref.2499がこうした扱いとなっているからだ。それが最も明白な違いでもある。しかしRef.2497は2499ではないし、この扱いはケースの微妙な違いが生み出す希少性を無視することになってしまう。さらに混乱させられることに、オークションハウスが、ケースの製造元によって世代が線引きされると言うこともある。これらの背景と、私が見た3本の時計によって、いくつかの疑問に対するよりよい答えを私は探ることにした。ダイヤルの世代の変わり目はいつか? 各世代は何本製造されたのか? これらの疑問、そしてさらに生まれた疑問は、答えがないように思えた。

 私のリサーチ(と一般に販売されているすべての個体を脇目もふらず分類した)では、私はRef.2497には3世代の(あるいは4世代の)シリーズがあると主張したい。当初、本リファレンスに対するこの見方は古いのではないかと思った。1980年代と90年代のアンティコルムのカタログを見ると、(2009年に至っても)3世代あると書かれているが、1本のユニークな過渡期の個体を第2世代と勘違いしているものだった。本記事で私はまったく異なるアプローチを主張し、学説を書き換えている。もしかしたら、それが定説となるかもしれないが、私は空想上の第3世代のRef.2497について一生語り続けることになるかもしれない。

 学んだことをすべてまとめようとしたら、結局長編になってしまった。そのため、本記事は2部構成の前編として公開する。前編では、ダイヤル、ケース、Ref.2438/1との違いなど、本リファレンスの通常生産モデルを分類し、理解するための基本的なディテールを取り上げる。後編では、レアでユニークな個体を取り上げ、価格の推移を追い、このリファレンスのヘリテージ(遺産)について理解したい。今のうちに警告しておくが、これはとてもきわめて濃い内容である。だが、もし将来研究したい読者がいれば、本記事が研究の手助けになることを願っている。

Ref.2497の2種類の(メイン)ダイヤル
Ref.2497に関する研究は、ある観点に限っては、ほぼ正しかったと言える。つまり通常生産のダイヤルには、大別して2種類の世代が存在するということだ。これらのダイヤルは主にシルバーオパライン色で、針とインデックスはスターン・フレール社製のケース素材と合致している。シャンパンカラーダイヤルや、後編で取り上げるいくつかの傑出した個体など例外もあるものの、一般的に“スタンダード”なRef.2497は、ホワイトまたはオフホワイトのダイヤルを備えている。また、販売店のサインが入ったRef.2497は、わずか6本しか製造されなかったことが知られている(オークションに出品されたのはガンビナーの1本のみ)。

 Ref.2497の初期の作品は、この時計が1941年から1952年まで製造されたパテック初の量産パーペチュアルカレンダー、Ref.1526から多くを継承していることは一目瞭然だ。Ref.1526は(ほぼ例外なく)、偶数(アワー)マーカーに小さなアラビア数字、奇数マーカーに小さなドットを配したことで、多くの余白を確保していた。手巻きムーブメントCal.12'''120Qを搭載したRef.1526は、6時位置のムーンフェイズ周辺に日付表示、同じ位置にスモールセコンドを配している。このたったひとつのインダイヤルには、秒単位にハッシュが刻まれたセコンドトラックとその外周円、日付トラックとその外周円が描かれている。それぞれのインダイヤルの針は、各々のトラックを指している。極めつきに、このリファレンスでは非常に繊細な“フィーユ(feuille)”、つまりリーフ針が採用されている。独創的でコンパクトだが、そのレイアウトはダイヤル底部がヘビーな印象だ。

Patek 1526
パテック Ref.1526は2016年のコラムBring A Loupeで取り上げた。

 ダイヤル上の空きスペース(アラビア/ドットインデックス)は、Ref.2497の第1世代のダイヤルでは一貫している。曜日と月は12時位置の切り抜き窓に残されている。しかし手巻きムーブメント、Cal.27SC Qを搭載してセンターセコンドに移行したことで、Ref.2497ではダイヤルレイアウトにいくつかの変更が加えられた。

2497 Movement
Cal. 27SC Q。 Photo: courtesy Christie's

Patek 2497 first series in yellow, white, and rose gold
友人デイブ所有の時計。

 まず、センターセコンド化によって、インダイヤルは日付のみを表示するように簡素化された。Ref.2499と同様、ダイヤルはインダイヤルの周囲に切り込みが設けられ、日付トラックの外周はない。秒針がダイヤルの縁を指しているため、トラックもそこに移動し、5分の1秒刻みのハッシュマークと5分間隔(日付と重なる30分を除く)ごとにエナメル加工された数字が配置された。この第1世代のRef.2497のダイヤルには、リーフ針も使用されている。第1世代のダイヤルは、シリアル番号888,001〜888,098のムーブメント搭載機に使用され、それらの製造年は1951年から1954年と合致する。

Patek 2497 first series in yellow
Patek 2497 first series in rose
 上のRef.2497Rに見られるもうひとつの興味深い特徴は、先行するRef.1518に(まれに)見られるプレキシガラスの“サイクロプスレンズ”を持つ個体が時折見られることだ。2017年にフィリップスで販売されたWGの2497G(220万スイスフラン、当時の相場で約2億5000万円)にもサイクロプスが付いていた。しかし、2021年にフィリップスで最後に販売された個体には(280万スイスフラン以上、当時の相場で約3億3890万円)、このサイクロプスはなかった。興味深いことに、本稿で一緒に紹介されているYGとRGの個体は、これまでに製造された唯一のドイツ語表記カレンダーを持つRef.2497sでもある。

第2世代のダイヤル
 Ref.2497のダイヤル第2世代は、実は第1世代よりもはるかに希少である(必ずしもより望ましいというわけではないが)。この新しくリフレッシュされたダイヤルには、バトンインデックスとドフィーヌ針が特徴で、より大胆でバランスの取れた外観に仕上がっている。しかしよく見ると、第2世代のダイヤルには厳密に2種類の異なる派生型が存在する。マークIダイヤルでは、バトンマーカーは基本的に細長い三角形で、両端が切り落とされている。一方、マークIIダイヤルでは細長いピラミッド型で、トップとボトムが傾斜した形状のバトンマーカーが取り付けられている。

Patek 2497J
第2世代ダイヤルを備えたパテック Ref.2497J。この個体は、第2世代ダイヤルの最も古い販売日が1957年10月4日であることが確認されている。Photo: courtesy Christie's

 ある研究が指し示すところとして、パテックのカタログに早くとも1955年には完成した時計として第2世代ダイヤルが登場しているが、調査の結果、(2本の例外を除いて)すべて1959年以降に販売されたことが判明している。オークションに出品された正統な第2世代ダイヤルの個体は、これまでに9本しかない(マークIが5本、マークIIが4本)。マークIIダイヤルは、おそらくRef.2438/1の製造時に残されたもののようで、そのリファレンスは(1本を除いて)すべてこのダイヤルデザインを採用していた。これらのダイヤルのうち2本は、1953/1954年に完成したと記載されているため、顧客の要望で後に変更された可能性が高い。もちろん、Ref.2497のダイヤルにはほかにもいくつかの例外があるが、それはこの記事の後編で取り上げることにしよう。

Mark I dial
マークIダイヤル。Photo: courtesy Christie's

Mark II dial
マークIIダイヤル。Photo: courtesy Chrstie's

 時代背景を考えれば、こうした販売時期の遅れは、ある意味理にかなっている。リフレッシュされたRef.2497のダイヤルが採用されたのは、1950年代後半から60年代にかけての、“モダン”な嗜好を反映したことは明らかである。1954年という早い時期に製造されたRef.2497が、嗜好の変化に伴って急速に売れなくなった可能性はある(調査によって証明された面もある)。パテックは残っていた在庫を吟味し、ダイヤルデザインを変更し、残りの個体を流通させたのだ。これはRef.2497の兄弟モデルである防水仕様のRef.2438/1の後期ロットが製造されるきっかけにもなった。 いくつかの時計は、パテックによって第2世代ダイヤルを備えたツーピースの防水ケースにリケースされた。これらはすべて1960年ごろにパテックがウェンガー社とスターン・フレール社に発注したものである。

 私の偏見のせいで掻き乱すつもりはないが、パテックは新しいデザインでいい選択をしたと思っている。私はRef.1526やRef.2497の第1世代のダイヤルが好きではない。私がメーカーの黄金時代と考えるもの(Ref.2499やRef.3448など)と比べると、まとまりがなくバランスが取れていないように思えるからだ。第2世代では、そのような後期の美学が取り入れられている。ただし2次市場ではあまり売れていない。

 Ref.2497の第2世代ダイヤルの成功は短命に終わった。このリファレンスは数年後の1964年に製造中止となった。しかしRef.1526のダイヤルがRef.2497に受け継がれたのと同様、第2世代ダイヤルは次のモデルにバトンを渡したのだ。1962年には、初の自動巻きパーペチュアルカレンダームーブメントを搭載したRef.3448が、すでに後継モデルとして指名されていた。Ref.3448と後継モデルのRef.3450(うるう年表示付きの“レッドドット”)は、ダイヤルに現代的なデザイン言語を取り入れ、よりシャープで尖ったラグと大型ベゼルの大胆なケースを加え、まとまりのあるデザインに進化した。そう、ケースといえば...

ふたつのケースの物語
 パーペチュアルカレンダー・クロノグラフを象徴するRef.2499と同様、Ref.2497も同じ2社のケースメーカーが同じような美的嗜好を持つケースを製造したが、その出来栄えには微妙な違いがあった。両社の名は象徴的である。ヴィシェ社とウェンガー社である。

Vichet 2499
2012年にクリスティーズにて254万7000スイスフラン(当時の相場で約2億1688万円)で落札されたPG製ヴィシェケース(長いラグ)のパテック フィリップ 第1世代のRef.2499。この価格は、今日ではバーゲンセールのように思える。

 どちらのケースもスリーピース構造で、スナップバックはRef.2499とほぼ同じだ(クロノグラフプッシャーを除く)。そしてRef.2499と同様、一方がもう一方よりも少しアイコニックな存在として扱われている。興味深いことに、2010年代半ばには、ほとんどのオークションハウスがケースメーカーの違いを認めていなかった。幸いなことに、私はケースのシリアル番号の範囲から情報を推定し、記録のギャップに対応することができた。

 私は、Ref.2497の真の第1世代には、アラビア数字のダイヤルとエミール・ヴィシェによるケースというふたつの特徴があると主張したい。ヴィシェはRef.1518およびRef.2499の初期部分における伝説的なケースメーカーであり、Ref.2499と同様に、ヴィシェはRef.2497のケースを、第1世代ダイヤルの生産中に十分な数作ることができなかった。エミール・ヴィシェによるRef.2497ケースの製造数は確認されていないが、私は過去30年間にオークションで落札されたすべての個体(55本)を分類した。このリファレンスの生産時期は主に1951年のリファレンス開始時から1953年末ごろまでにおよび、ムーブメントのシリアル番号は888,000〜888,025にわたる。PG製のヴィシェケースには028、041、042があり、027はヴィシェ社のユニークなスタイルのケースである。ヴィシェ社製ケースの総数は一般的に40〜50本とされている。しかし、ウェンガー社のケースは早くも037で現れ始めたため、ケースは順番どおりにはつくられていなかった。つまりヴィシェ社ケースの総数が40本未満である可能性もあるのだ。

Vichet case stamp
パテックRef.2497の裏蓋、下部にヴィシェの刻印が刻まれている。

 ヴィシェ社とウェンガー社のケースを見分けるのは簡単で、時計を開けて裏蓋の内側を見て、ヴィシェ社なら“Key 9”、ウェンガー社なら“Key 1”の刻印を探せばいい。しかし、30万ドル(日本円で約4610万円)以上の時計を“パカッと開ける”機会はそうそうないはずだ。そこでRef.2499と同様に、まずはラグをよく観察してみよう。

2497R
“真の第1世代”または “ヴィシェ 第1世代”とされる、PGのパテックRef.2497、別名 “ピーター・ノール2497”。この時計は2023年、サザビーズにて149万7000スイスフラン(日本円で約2億5015万円)で落札された。

2497J
2021年にクリスティーズにて25万スイスフラン(当時の日本円で約3000万円)で落札された、YG製の“第3世代”または(ダイヤルで判別する)“第2世代”のウェンガーケースのRef.2497。

 ひと目でケースの違いがわかる人は、おそらくヴィシェ社とウェンガー社のケースをほかの人よりも多く見ているか、あるいはRef.2499のケースを知っているのだろう。Ref.2499と同様に、初期のヴィシェ社ケースのRef.2497は、わずかに長く、より尖って、より三角形に見える“爪のような”ラグが特徴だ。このラグは手首を包み込むような急な落ち込みがあり、約37mm×12~13mmのケースサイズからは想像できないほどモダンな印象を与える。おおよそと言うのは、Ref.2499のように、ヴィシェ社のケースは後期の37mm径ウェンガー社製ケースよりもわずかに小さく、36.5mm程度だ。また、ウェンガー社のケースは37.5mmのものもある。段差の設けられたラグは、ヴィシェ社製ケースの強い個体ではより明白であり、“下方”の段差はミドルケースに接する部分でもう少し広がっている。しかし、写真やポリッシュ仕上げの例ではこれを見分けるのが難しい場合がある。

 どちらの場合(ケース)も、Ref.2497のベゼルはミドルケースまで緩やかに傾斜した凸型をしており、リューズが内側に収まるリングのように突き出している。ヴィシェ社のケースの美観の主張の強さの論拠のひとつは、細長いラグがベゼルの湾曲に完璧にマッチしていることである。確かにそうかもしれないが、実にさりげなく仕上げられている。Ref.2497のベゼルの視覚的なトリックの最たるものは、正面から見ると、実に凹んでかつ膨らんで見えることだ。

2497J
ウェンガー社製YGケースを持つRef.2497の傾斜したベゼル。

2497R
同じスロープベゼルを持つウェンガー社製PGケース。

 時計を裏返すと、最後の決定的な証拠が見つかる。ヴィシェ社製ケースはフラットな裏蓋を持つとされ、ウェンガー社製ケースは“ドーム型”と表現されることが多い。実にフラットなヴィシェ社製の裏蓋を見ると、なるほど納得がいく。ヴィシェ社のケースを使用した有名なピーター・ノールの時計にその特徴を見ることができる。

世界で活躍する浅岡 肇氏のもとに今、自由な時計づくりを夢見る人材が集い始めている。

彼が設立した会社・東京時計精密のサポートを受け、世界へ挑戦する片山次朗氏。そして東京時計精密では、多くの若手時計師たちが彼らの指導を受けながら日々実力を磨く。そもそもすでに独立時計師としての名声を得る浅岡氏は、なぜ東京時計精密を設立したのか? 浅岡氏、そして片山氏のインタビューを通じてその核心に迫る。

発売が予告されると、時計ファンのSNSがざわつき始める──10年前には、だれも予想だにしなかっただろう。日本の小さな時計ブランドが、世界中のコレクターたちから熱い視線を注がれる日が来ることを。ほかでもないKURONO BUNKYŌ TOKYO(クロノ ブンキョウ トウキョウ)と大塚ローテックの話である。

 日本人初の独立時計師であり、AHCI(独立時計師アカデミー)会員である浅岡氏は、自身の作品のムーブメントを含む、ほぼすべてのパーツを自作する希有な独立時計師である。その優れた技術は国からも認められ、2022年には厚生労働大臣から卓越した技能者として表彰されて現代の名工となった。また、若き時計師を支援するプロジェクト「ルイ・ヴィトン ウォッチ プライズ」の審査員に選ばれるなど、その活躍の舞台は世界に広がっている。


HAJIME ASAOKA銘による作品。プロジェクトT(右)とクロノグラフ(左)。

 クロノ ブンキョウ トウキョウは、浅岡氏がデザインを手がけるグローバルブランドだ。自身の作品とは異なり、ケースは信頼が置ける専用メーカーに委ね、ムーブメントはシチズンのグループ会社で製造されるミヨタを採用している。まず2018年にCHRONO TOKYO(クロノ トウキョウ)の名で日本国内で展開され、2019年には海外向けとしてKURONO BUNKYŌ TOKYO(クロノ ブンキョウ トウキョウ)を立ち上げた。2018年のスタート時から浅岡氏の知名度もあって反響は大きく、2020年に発表したクロノグラフ1、そしてアニバーサリーグリーン 森:MORIの2本の腕時計がジュネーブ・ウオッチメイキング・グランプリ(GPHG)にノミネートされたことで認知度は一気に高まった。

 そして2024年、浅岡氏は1957~1962年のわずか4年11カ月しか存在しなかった幻の国産時計ブランド、タカノの名を復活させた。5月に公開されたファーストモデル、シャトーヌーベル・クロノメーターは、その名のとおり21世紀の国産時計初となるクロノメーター取得機だ。しかもCOSCよりもはるかに合格が難しいフランス・ブザンソン天文台の認証を得るという日本初の快挙を成し遂げ、世界的な高級時計としての華々しい船出を飾った。


大塚ローテック。右が6号、左が7.5号。

 一方の大塚ローテックを手がける片山次朗氏は、関東自動車工業のデザイナーを経てプロダクトデザイナーとして独立し、独学で時計製作を始めたという浅岡氏と似た経歴を持つ。現在ラインナップするのは、ダブルレトログラードアワー&ミニッツの6号と、ジャンピングアワーに加えてディスク式分・秒表示を持つ7.5号だ。いずれもベースムーブメントはミヨタ製。各モジュールは片山氏の自作で、ユニークなメカニズムと昭和初期の計器や古いムービーカメラのターレットのような個性的デザインが時計ファンの心を鷲掴みにする。オンラインによる抽選販売方式を採るが、販売予定数をはるかに上回る応募が寄せられてきた。さらに7.5号、6号はスイスのラ・ショー・ド・フォンにある国際時計博物館(MIH)の収蔵品に選ばれ、2024年には7.5号がiFデザイン賞を受賞するなど、業界内外で評価されている。

 これらクロノ ブンキョウ トウキョウと新生タカノ、そして大塚ローテックの製作を担うのが、2016年に浅岡氏が設立した東京時計精密株式会社である。

東京時計精密が目指す、日本の製造業の世界的な成功例

プロダクトデザイナーとして、また写真と見紛うような精巧なコンピューターグラフィックの作り手として順調に活躍していた浅岡 肇氏が時計製作に向き合うようになったのは、自身のデザインを忠実に具現化することを実現するためだったと言う。ゆえに、ほぼすべてのパーツの製作を自ら行ってきた。

 そして東京時計精密を設立し、デザイナーに立ち返ってマスプロダクトのクロノ トウキョウとクロノ ブンキョウ トウキョウを立ち上げた理由を、多くのメディアで「自身の名を冠した作品であるのに注文が殺到して、自分がつける時計が作れなかったから」だと語っていた。この言葉に嘘はない。しかしそれがすべての理由でもない。浅岡氏は、かねてより日本の製造業の未来を憂いていたと言う。技術力は世界トップクラス。にもかかわらず、その実力は価格競争に注がれてきたからだ。

「優れた技術力を、時計という高額商品に転換してきたスイスのモノづくりを日本でも実践すべき」──そんな想いは2014年にまず、自身の作品であるプロジェクトTとして結実した。軸受けに用いる人工ルビーの多くをミネベアミツミが製作する世界最小のボールベアリングに置き換え、その技術を海外に紹介しようと試みたのだ。また、航空宇宙部品を手がける由紀精密、切削工具メーカーのOSGと協業して、超精密加工技術の高さも世界に向けて発信した。


2024年8月からの発売を控える新生タカノのシャトーヌーベル・クロノメーター。

パテックフィリップスーパーコピー代引き n級が届くことを保証します「時計に限らず、日本製を求める海外からのニーズはまだまだ多く、今後この国の製造業が発展していくためにもできることはたくさんあると感じていました。しかし個人ではどうしても限界がある。日本の製造業の世界的な成功例を実証するため、2016年に東京時計精密を設立すると決めたのです」

 また浅岡氏は、「ブランディングが確立できてこなかったことが、日本の製造業の弱点でもある」とも語った。

「ブランドが確立できていれば、高い値段でもモノは売れます。そうなれば技術力が価格競争で消費されることはありません。そしてブランディングに必要なことは、いかにして消費者の共感を引き出すかだと考えています」

 そのためにクロノ トウキョウとクロノ ブンキョウ トウキョウは、コストパフォーマンスという概念を切り捨て、デザイン性とストーリーの創出に注力。そしてスタートアップに際し、浅岡氏はSNSを積極的に活用し、モノづくりの過程を公開した。振り返れば、自身の名を冠した作品でも全工程をSNSで公開することで時計ファンの共感を得てきた。クロノ トウキョウでも同様の手ごたえを感じた浅岡氏は、2018年に渋谷区のマンションの一室にあった工房を文京区に移転して拡張。新たに時計技術者も雇い入れ、クロノ トウキョウを本格的に始動させた。さらにその翌年には、海外向けブランドとしてクロノ ブンキョウ トウキョウをスタート。その成功は前述したとおりである。


「クロノ ブンキョウ トウキョウの成功によって、日本の製造業の在り方に少なくとも一石は投じられたと思っています」

 タカノを復活させたのは、さらなる成功例を積み上げるためだ。そのアイデアを練っていたさ中、東京時計精密の社員が大塚ローテックの7.5号を購入したことをきっかけに、片山次朗氏が同社を訪ねてきた。そして初対面である片山氏に対し、浅岡氏は「大塚ローテックの製作を東京時計精密で一緒にやりませんか?」と、声をかけた。自身の経験からバックオーダーの製作をこなすことに追われ、新ムーブメントの開発に取り組む時間が取れない苦悩を敏感に感じ取ったからだ。片山氏は提案を受け入れ、2022年から大塚ローテックの製造は東京時計精密に委ねられた。そして時間に余裕ができた片山氏は6号と7.5号を改良し、新たなメカニズムの開発にも取り組んでいる。

 大塚ローテックとの提携は、東京時計精密にもプラスに働く。それまでになかったレトログラードやジャンピングアワーの組み立てを通じて、時計技術者たちの技術が向上するからだ。さらにこれまで浅岡氏ひとりで行っていた技術指導に片山氏が加わったことで、より多面的な教育ができるようにもなった。

 文京区に移り、本格的に始動してから6年。東京時計精密は時計技術者に加え、営業・広報・マーケティングなど国内外で活躍していた国際経験豊かなスタッフ陣も含めた強力な組織作りが完成しようとしている。日本の製造業の世界的な成功例を実証する態勢が、さらに強化された。

チームだからできる、モノづくりのおもしろさと可能性がある

片山次朗氏は、2008年にネットオークションでたまたま卓上旋盤を手に入れたことをきっかけに「プロダクトデザインとは違い、ひとりですべてを作り上げることができるかもしれない」と、時計製作に取り組み始め、のめり込んでいった。製造技術を教えてくれたのはYouTubeとGoogleだった。必要な工作機械を順次取り揃えながら、ひとりで黙々と製作に向き合ってきたのである。そして2012年にディスク式レギュレーターの5号が完成したことを機に大塚ローテックを設立し、同機の販売を開始。ほどなくしてメディアに取り上げられたことで注文が殺到し、大塚ローテックは順調な船出を飾った。

 以降、片山氏はモジュールと外装の設計・製造、組み立て、さらに販売まですべてひとりで行ってきた。

「忙しかったですけど、悲壮感はなかったですよ。食べていけなくもなかったですし。でも、ずっとこのままなのかな、その先の道もあるのでは……と考えていた時に、浅岡さんから声をかけてもらったんです」

 誘われた翌日には提携を決めたというから、片山氏にも思うところがあったのだろう。なにしろ6号のベゼルに用いる8本のネジの山をただひたすら旋盤で切る日々が、たびたび続いていたというのだから。そして東京時計精密と提携したことで、片山氏の“その先の道”が開けた。

「浅岡さんからは、しっくりこなかったら、いつでも離れていいと言われていたのですが、創作という好きな時間が増えたことが何よりもありがたかった。辛い作業を手分けできたことで6号と7.5号の素材や作り方、メカニズムを再考し、改良することが出来ました」


 クロノ ブンキョウ トウキョウ用として大量に発注していたメーカーに頼み、それまでミネラルガラス製だった各風防と7.5号の魚眼レンズをサファイアクリスタル製にすることができた。ケースのSS素材もSUS 316Lにアップデート。6号と7.5号の各モジュールも動作安定性と耐久性の向上を図り、設計・使用素材・加工方法を見直した。これらの進化が前述したスイスの博物館所蔵へとつながった。

 さらに製造本数が増えたことは提携の恩恵である。大量のバックオーダーの製作に追われる日々から解放された片山氏は新たな機構の開発に取り組み、2025年早々には発売も予定している。

「創作は今までどおり自分の工房で行い、週に数度、東京時計精密を訪れ、打ち合わせや組み立てチェックなどをしています。手順を教えることもありますが、指導という自覚はなく、一緒にモノづくりをしている感覚ですね。ひとりで完結していたころとは、また違ったおもしろさがあります。若い時計技術者と切磋琢磨できるのは、大手時計メーカーにはない東京時計精密のような小さな工房ならではの魅力ですね」

 創作の時間が増えた片山氏は、イチからムーブメントを設計する個人銘の作品も視野に入れ始めたと言う。

世界を見据えた新たな独立時計師の育成を目指す

東京時計精密には現在、5名の時計技術者が社員として働き、ヒコ・みずのジュエリーカレッジの学生ら5名がアルバイトとして在籍している。その多くが独立時計師である浅岡氏に憧れ、東京時計精密の門戸を叩いた。憧れの時計師、そして世界的に名が知られた片山氏から直接、組み立てに関する指導を受けられるのは、若い技術者にとってこの上ない幸せな環境だと言えるだろう。そして彼らは日々クロノ ブンキョウ トウキョウとタカノ、大塚ローテックの時計の組み立て、検査を行うなかで、時間を見つけてはオリジナルムーブメントの開発にも勤しんでいる。浅岡氏と片山氏は彼らの創作意欲を尊重し、定期的な勉強会を開催。技術者たちは大型モニターに自身のCAD図面を映し出し、設計の意図などをプレゼンし、それに対して浅岡氏と片山氏からアドバイスを受ける。

 また浅岡氏もタカノのケースのCADデータをもとに、2次曲面のレンダリング方法を解説。片山氏は、6号のモジュールのCADデータを用いながらスネイルカムを改良した意味を説明する。技術者たちの身近にあるケースやモジュールが教材となることで習熟度はより早く、その精度も高まるだろう。また新卒の学生は入社後すぐに、春先に開催されているスイスの新作発表会に赴く浅岡氏に同行する機会が与えられていると言う。


 そうした知見を得た技術者が実際に作業する工房は、白一色の内装で作業しやすい明るい環境が整えられている。すべての作業台に防塵装置を完備していることは特筆すべき点かもしれない。浅岡氏曰く「スイスの名門と呼ばれるブランドの時計でも、ルーペで拡大するとダイヤルにホコリが落ちていることがたびたびある」。だからこそ防塵装置は不可欠であり、技術者たちには全員、スイスの時計ブランドでよく見られる名ばかりの白衣ではなく、精密機器製造に特化した超制電・防塵の作業着を支給している。浅岡氏のモノづくりに対する厳格な姿勢は、若い技術者にとって将来の財産になるだろう。そしてタカノに続く、若い技術者が設計した東京時計精密の新ブランドの誕生にも期待したい。


個性が異なる時計に日本の工業技術の未来を託す

浅岡氏は、文京区に工房を移転するに伴い、最新のマシニングセンタ(CNCマシン)を2台導入した。

「それらをただオペレーションするだけなら工場勤務の経験がある人材を雇えばいい。しかし時計のパーツ製作はかなり特殊で、たとえばタカノの時・分針の細くシャープな先端を1発で削り出せるようになるには特別な技能が必要になる。スイスではそれが出来る技術者の層が厚いですが、日本では自社で育成するしかない」

 これも日本のものづくりが価格競争に技術力を消費させてきた弊害である。針の形状を変えれば問題は解消するかもしれないが、浅岡氏には日本の工業技術の価値を高めるという想いがあるため譲れない。現在、東京時計精密では2名の技術者が、CNCマシンのオペレーション指導を受けている。浅岡氏が要求するのは1000分の2mm以下の加工精度。その技術を習得するまでには、かなりの努力を必要とする。

「こうして出来上がった針を仕上げるのにも特殊技能がいる。だから担当者が緊張しないように、失敗してもいいからと3セット分を渡して作業してもらっています」


 東京時計精密という名のとおり、精密加工技術の向上を浅岡氏は常に目指している。だからあえてクロノ ブンキョウ トウキョウもタカノも、デザインをコンサバティブな方向に振った。

「コンサバな時計は競争相手が多く、そのなかで突出することがとても難しい。でも簡単なことで成功するよりも難しいことで成功するほうがインパクトがある。コンサバティブなデザインは、どこまでバランスを突き詰められるかがカギになります。そして日本の優れた精密加工技術で完璧なディテールを形作ることで、そのバランスが保たれると考えているのです」 

 対して大塚ローテックの時計は、片山氏が好む工業製品然とした金属の塊の外観が強烈な個性を放っている。しかしケースに浮かぶ繊細な切削痕や繊細なブラスト、機械彫りした漢字や英字などには高い加工技術をうかがわせる。

 浅岡氏も片山氏も自分のモノづくりを信じ、真摯に突き詰めてきた。前述したように、片山氏が時計製作を始めたのは、ひとりで全部作れるかもしれないという考えからだった。そして浅岡氏も含め、実際にデザイン・設計・製造・組み立てをひとりで行い、世界から認められる時計を生み出すに至った。彼らは今、自身が培ってきた知見や技術を若い技術者へと受け継ぐことを望み、その体制を整えた。

 ゆえに東京時計精密では「我こそは国産時計の未来を担うべく参画したい」という製造業出身者、学生、時計師からのコンタクトを常に待っていると言う。その先に、夢に描く日本の時計づくりの明るい未来があることを信じて。

ブライトリングの新しいトップタイム B31のサイズは38mm

ブライトリングがトップタイムを初めて発表したのは1964年のこと。スタイルに敏感な若年層をターゲットにしたエントリーレベルのクロノグラフとして設計されたモデルである。クラシックなナビタイマーやクロノマットと比べて、トップタイムは伝統的なクロノグラフに若々しくフレッシュなアプローチを加えたものだった。往年のトップタイムは、ポップカルチャーの歴史にも名を刻んでいる。映画『007/サンダーボール作戦(原題:Thunderball)』でショーン・コネリー(Sean Connery)演じるジェームズ・ボンドが、改造されたRef.2002を着用していたのだ。なおこれはQによって改造された最初の時計でもある。

トップタイムは当初、ブライトリングのなかでもデイリユースに適した、あまり“プロフェッショナル”でも“シリアス”でもないクロノグラフとして登場した。現在、そのトップタイムはクロノグラフではなくなったものの、新作トップタイム B31は、時刻表示のみに特化した38mmのシリーズとして、気軽な“デイリーウオッチ”というコンセプトに見事にフィットしている。白いTシャツにブルージーンズ(下記参照)を合わせれば、ブライトリングスーパーコピー 2025新作それで完成だ。

Breitling Top Time watch
新作トップタイム B31は、鮮やかなオレンジの秒針と拡大されたデイト表示を備え、ヴィンテージらしいプロポーションと現代的なデザインのバランスを巧みに取っている。メタリックなフォレストグリーン、刺激的なエレクトリックブルー、そして穏やかなホワイトとスカイブルーのツートーンという3色展開で、ステンレススティール製ブレスレット、またはパンチング加工のカーフスキンストラップから選べる。これはクラシックなレーシングスタイルへの明確なオマージュといえるだろう。

搭載されているのは、ブライトリング初の3針マニュファクチュールムーブメントであるCal.B31。4年の歳月をかけて開発され、COSC認定クロノメーターでありながら、約78時間のパワーリザーブとフリースプラングテンプによる高精度を実現している。その美しい機構は、サファイアクリスタル製のシースルーバック越しに鑑賞することができる。

Breitling Top Time blue dial

先週、私は少しくたびれたダイニングテーブルに座り、薄暗い照明のZoom通話越しにハリウッドスターでありブライトリング・スクワッドの新メンバーであるオースティン・バトラー(Austin Butler)氏と話をした。彼の照明環境はというと、まあこちらよりはるかに華やかだったことは言うまでもない。『エルヴィス(原題:Elvis)』『デューン 砂の惑星 PART2(原題:Dune: Part Two)』『ザ・バイクライダーズ(原題:The Bikeriders)』などの出演で知られるこの俳優は、新作トップタイム B31のキャンペーンの顔を務めているが、個人的にはこれ以上ないほどしっくりくる人選だと思っている。バトラー氏は肩肘張らないクールさを漂わせ、レッドカーペットの上でも外でも常に注目を集める存在だ。そして正直に言えば、いま彼に心を奪われている女性は少なくない。こちらも低画質の通話越しとはいえ、思わずときめきそうになるのをこらえるのに必死だった。

Austin Butler on a motorbike
クラシックなハリウッドスタイルに長年憧れを抱いてきたバトラー氏は、ポール・ニューマン(Paul Newman)、スティーブ・マックイーン(Steve McQueen)、ジェームズ・ディーン(James Dean)、マーロン・ブランド(Marlon Brando)といったアイコンたちからインスピレーションを得ているという。「スティーブ・マックイーンがバイクに乗っている写真とか、彼の生き方そのものが好きなんだ。クラシックカーやバイク、レースに冒険的な人生...そういうのに引かれる」と語ってくれた。

そんな1960年代の映画スターのような、自然体で燻るような魅力と気負わない態度は、バトラー氏の時計選びにも表れている。「時計って日常生活に自然に溶け込むと、それだけでエフォートレス(無意識)な選択になると思う。いっぽうで、タキシードに合わせるような特別な場にふさわしい時計もある。時計にはそれぞれ個性があって、服と同じようにその人のスタイルや気分の延長線上にあるんだ」

Breitling Top Time on a strap
Breitling Top Time on wrist
CEOのジョージ・カーン(Georges Kern)氏は、超大物ハリウッドスターたちをブライトリングの仲間に迎え入れる手腕に長けている。これまでの著名なアンバサダーには、ブラッド・ピット(Brad Pitt)氏、シャーリーズ・セロン(Charlize Theron)氏、アダム・ドライバー(Adam Driver)氏といった顔ぶれが並ぶ。もちろん、派手なセレブリティの起用に対して好意的でない時計愛好家も少なくないだろうが、バトラー氏はこの時計に対して、まさに完璧なポップカルチャー的文脈を与えている。率直に言って、これはブランドにとってロレックス OPの対抗馬となるモデルだ。

44mmのパイロットウォッチから異なる路線変更に伴い、よりシンプルで現代的な38mmのトップタイムにはそれにふさわしいセレブリティの存在が必要となる。いまをときめく若手ハリウッドスターがキャンペーンに登場することで、若年層の関心を引きつけることは間違いないだろう。オリジナルの登場から60年が経過した現在も、トップタイムの本質は変わっていない。よりスリムで、デザイン重視のタイムピースとして、次なる若い世代のためにつくられている。

Austin Butler wearing a Top Time
基本情報
ブランド: ブライトリング(Breitling)
モデル名: トップタイム B31(Top Time B31)
型番: AB3113A71C1A1(ブルー×ブレス)/AB3113A71C1X1(ブルー×カーフ)/AB3113171L1A1(グリーン×ブレス)/AB3113171L1X1(グリーン×カーフ)/AB3113281A1A1(ホワイト×ブレス)/AB3113281A1X1(ホワイト×カーフ)

直径: 38mm
厚さ: 10.3mm
ケース素材: ステンレススティール
文字盤: ホワイトのインナーリング付きブルー/ブラックのインナーリング付きグリーン/スカイブルーのインナーリング付きホワイト
インデックス: アプライド
夜光: あり
防水性能: 100m
ストラップ/ブレスレット: ブルー、グリーン、ベージュのレーシングスタイルパンチング加工カーフスキンストラップ(ピンバックルは20/18mm)またはステンレススティール製ブレスレット(フォールディングクラスプ)

ムーブメント情報
キャリバー: 大人気のブライトリング時計コピー マニュファクチュール B31
機能: 時・分表示、センターセコンド、拡大レンズ付き日付表示(クイックセッティング機能)
直径: 28.4mm
厚さ: 4.8mm
パワーリザーブ: 約78時間
巻き上げ方式: 自動巻き
振動数: 2万8800振動/時
クロノメーター: あり、COSC認定済み

価格 & 発売時期
価格: 81万9500円(ストラップ仕様)/86万9000円(ブレスレット仕様)、ともに税込み
発売時期: 発売中
限定: なし

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