200mの防水性能と堅牢なケース構造を特徴とし、クォーツモデルから自動巻きモデルまで幅広いラインナップを展開している。本記事では、このコレクションの特徴や歴史的背景、各モデルの仕様を詳しく解説する。
再生を繰り返す度に洗練さを増す「フォーミュラ1 」の歴史
「タグ・ホイヤー フォーミュラ1」は、1986年に登場したタグ・ホイヤー初のコレクションであり、同年1月にTAG(Techniques d’Avant-Garde / テクニーク・ダヴァンギャルド)グループの傘下に入った後の、ブランド再構築の一環として開発された。すでに1978年に初のダイバーズウォッチを発表していた当時のホイヤー社は、1983年の秋以降、急激に世界の時計市場に登場した日本製の低価格のクォーツウォッチに対抗する手段を必要としていた。
そこでTAG傘下に入って早々の1986年に登場した「タグ・ホイヤースーパーコピー時計 代引き フォーミュラ 1」コレクションは、ダイバーズモデルを背景とした全く新しいスポーツウォッチ市場に向けたシリーズとなったのである。本コレクションは鮮やかなカラーリングとプラスチック等の軽量な素材を用いたケースデザインが特徴で、若年層やスポーツ愛好者をターゲットとしていた。またブランド再構築後の新生タグ・ホイヤーを象徴するコレクション名を「フォーミュラ1」と名付けたのには理由がある。1960年代から1970年代にF1レースのスポンサーシップ、特にフェラーリのスポンサーを展開したホイヤー社と、1979年から1981年までウィリアムズチームのメインスポンサーを務めたTAG社のふたつの歴史を踏まえてのことだった。
映画史に残る名優、スティーブ・マックイーン(1930~1980)は、自身も自動車やバイクの優秀なレーサーであった。セミドキュメンタリー風で撮影された映画『栄光のル・マン』(1971年)は、マックイーン自らがポルシェ・917Kを駆って撮影に臨んだ記録映画としての価値も高い。写真はガルフカラーのレーシングユニフォームに身を包んだマックイーン。右肩にはスポンサーの一社であるHEUERのロゴ、右手首には「モナコ」を着用。彼にこの時計を勧めたのは、当時ホイヤー・レオニダスの広告塔であったスイス人レーサーで、マックイーンの友人であるジョー・シフェールと言われている。
そんなタグ・ホイヤー フォーミュラ1の初代モデルは、グラスファイバーをコーティングしたステンレススティール製インナーケースを本体に組み合わせるという、この時代では革新的な構造を持ち、同時に従来の高級時計とは一線を画すカジュアルなデザインを実現していた。
また、200m防水や逆回転防止ベゼル、分単位のインデックスなどの実用的な機能を備え、日常生活や軽いスポーツシーンでの使用を想定したスペックとなっていた。また、1986年から1990年にかけての初代コレクションでは、ブラックやホワイトの他にレッド、ブルー、ピンクのグラスファイバー製ケースを揃え、これらにイエローやグリーンのベゼルを組み合わせるといった華やかなカラー展開を試み、当時の市場で大きな注目を集めることに成功した。
2004年には第3シリーズとして復活、現在に至る
その後タグ・ホイヤー フォーミュラ1は数回にわたるデザインのリニューアルを経るとともに、素材や機能面でも改良が加えられた。初期モデルの樹脂ケースからステンレススティールケースへの移行により、耐久性や質感が向上した他、初期モデルではハーレー・ロンダSA 705やESA 965.312モジュール、後期モデルになるとETA 955.412または955.414のクォーツムーブメント搭載モデルがラインナップされていたことに対し、後に自動巻きや、1989年にはクロノグラフコレクションも展開されるようになった。1998年には、クロノグラフコレクションを「シリーズ2」としてアップグレードする。
1999年にLVMH(モエ ヘネシー・ルイ ヴィトン)グループがタグ・ホイヤーを傘下に納め、その翌年の2000年に一度は休眠状態に入った当コレクションだが、2004年にデザインを一新しグレードアップした新たな「タグ・ホイヤー フォーミュラ1」コレクションが登場する。現在は第3シリーズとなった当コレクションは、タグ・ホイヤーのエントリーモデルとして位置付けられ、多様なバリエーションを持つスポーツウォッチとして幅広い層に支持されている。このシリーズは、実用性と手頃な価格を両立したデザインで、タグ・ホイヤーのラインナップの中でも重要な役割を担っているのである。
1987年の「タグ・ホイヤー フォーミュラ1」の広告ビジュアル。F1サーキットを疾走する赤白ツートーンカラーのマシンと、アイルトン・セナの勇姿を覚えている人も多いと思う。F1黄金時代を築いた功労者は1970~1980年代にかけて当レースを支えたタグ・ホイヤーと、1980年代のセナを抜きにしては語ることはできない。当時の日本でのセナの人気は凄まじく、某TV局の人気番組へのゲスト出演や、東京・青山のホンダ本社来訪時の周囲の大群衆(主に女性)はハリウッドスター並みかそれ以上だった。
タグ・ホイヤー フォーミュラ1が選ばれる理由
「タグ・ホイヤー フォーミュラ1」は、スポーティーなデザインと実用的な機能を備えた時計として評価されている。このコレクションは、モータースポーツにインスパイアされたデザインと、日常使いに適した機能性が特徴で、幅広いユーザー層に支持されている。
スポーティーなデザインと機能性の融合
F1レースのスポンサーやフェラーリとの公式パートナーシップ、2016年以降はオラクル・レッドブル・レーシングF1チームの公式タイムキーパー兼パートナー契約等、モータースポーツの世界と深い関係を結んできたタグ・ホイヤー。当ブランドを代表するコレクション「タグ・ホイヤー フォーミュラ1」は、スポーティーなデザインと実用的な機能を備えた時計として評価されている。このコレクションは、モータースポーツにインスパイアされたデザインと日常使いに適した機能性が特徴だ。計時機能のみならず、200m防水や耐衝撃性といった実用性を持ち合わせるので、スポーツやアクティブなライフスタイルにも対応できる。これらの機能は、時計初心者でも扱いやすいだけでなく、日常生活のさまざまなシーンで役立つ。
デザイン面では、F1マシンやレーシングスーツを彷彿とさせるタキメーターベゼルや、視認性に優れたインデックス、大胆なカラーリングが採用されており、動きのある日常に寄り添う設計だ。
時計のデザインにおけるスポーティーさと実用性の両立は、タグ・ホイヤーのエンジニアリングや素材選定の技術が反映されており、同社の大きな強みと言える。
このような特徴が「フォーミュラ1」の独自性を引き立てており、スポーティーなライフスタイルを求める人々からの支持を集める理由のひとつとなっている。
タグ・ホイヤー フォーミュラ1
タグ・ホイヤー「タグ・ホイヤー フォーミュラ 1 クロノグラフ x オラクル・レッドブル・レーシング」Ref.CAZ101AZ.FT8090
2005年からF1に参戦しているレッドブル・レーシングと、2022年に当レーシングチームのメインスポンサーになった米IT大手企業オラクル。両者の名を冠したコラボレーションモデルが世界限定3000本の「タグ・ホイヤー フォームラ1 クロノグラフ × オラクル レッドブル レーシング」。微粒子加工のファイングレイン仕上げされたブルーダイアルには、マシンのボディカラーと同じブルー、オレンジ、イエローの彩色が施され9時側にはオラクルのロゴを印刷。クォーツ。SSケース(直径43mm、厚さ12.4mm)。200m防水。世界限定3000本。35万7500円(税込み)。
手に取りやすい価格帯と品質のバランス
タグ・ホイヤー フォーミュラ1は、タグ・ホイヤーのコレクションの中でも比較的手頃な価格帯に位置するモデルである。価格を抑えつつも、素材や仕上げの品質は高級時計としての基準を満たしており、初めて高級時計を購入する人にとってエントリーモデルとして最適である。
また、カジュアルな用途に適したデザインと価格設定が、幅広い層からの支持を得る要因となっている。時計に馴染みのない初心者にとっても購入しやすく、それでいて「高級時計を所有する喜び」を感じられる絶妙なバランスを提供している。
この価格帯と高級感のバランスが、「フォーミュラ1」を日常使いの時計として広く受け入れられている要因のひとつだ。
長期使用を可能にするメインテナンス体制
高品質な時計を長く使用するには購入後のメンテナンスは欠かせない。このメンテナンスの体制をタグホイヤーは備えており、正規サービスセンターでは修理やオーバーホールなどの定期メンテナンスを安心して依頼することが可能だ。時計を長期間にわたり使用するための環境が整備されているのだ。
さらに、公式サイトでは防水性能の維持や磁気への対策など、日常の時計のケア方法を詳しく解説。時計初心者でも日々の適切な手入れを行うことができ、時計を最良の状態で保つことが可能である。サポート体制が充実している点でも、本コレクションが長く愛用される理由となっている。
タグ・ホイヤー フォーミュラ1
タグ・ホイヤー「タグ・ホイヤー フォーミュラ1 クロノグラフ アイルトン・セナ」Ref.CAZ201D.BA0633
“音速の貴公子”と呼ばれ1980年代には日本でも絶大な人気を誇ったF1名ドライバー、アイルトン・セナ。その彼の名を冠したトリビュート・スペシャルエディションモデルが「タグ・ホイヤー フォーミュラ1 クロノグラフ アイルトン・セナ」だ。マクラーレン・ホンダのレッド&ホワイトのマシンを操り、好敵手ナイジェル・マンセルとの激戦は今でも記憶に残る名勝負だ。クロノグラフのスタート/ストップボタンとリュウズ、インダイアル等に彩られたレッドがセナのレースカーを想起させ、ベゼルの12時位置には“ダブルS”のセナのロゴが入る。またケースバックにはセナが愛用したヘルメットを刻印。彼の母国語であるスペイン語で書かれた“NACIONAL”の文字を見ると、グリーンとイエローのブラジルカラーでペイントされた彼のヘルメットが目に浮かんでくる。自動巻き(Cal.16)。2万8800振動/時。パワーリザーブ約42時間。SSケース(直径44mm)。200m防水。56万6500円(税込み)。
「タグ・ホイヤー フォーミュラ1」3つの基本ラインナップ
現代のタグ・ホイヤー フォーミュラ1コレクションは、多様なニーズに応える幅広いラインナップを展開している。それぞれのモデルは、異なる特徴と魅力を持ちながら、コレクションとしての一貫性を保っている。
クォーツモデル
クォーツモデルは、高精度な時間計測と実用性を重視するユーザー向けに設計されている。タグ・ホイヤーの他のラインに比べて手頃な価格帯でありながら、ブランドの品質と信頼性を兼ね備えている。
特に、日常生活で求められる正確な時間管理を提供し、ビジネスシーンからカジュアルな場面まで幅広く対応するのが特徴である。
このタイプのモデルは定期的な電池交換のみで動作を維持できるため、機械式時計と比較してメンテナンスが容易で初心者にとっても扱いやすい。
また、200m防水や耐衝撃性といった実用的なスペックを備え、スポーティーな外観だけでなく実際のアクティブなライフスタイルにも適している点が大きな魅力である。
デザイン面では、クリーンで視認性の高いインデックスやタキメーターベゼルが採用され、F1マシンを彷彿とさせるダイナミックな印象を与える。軽量で使いやすく、機能性を重視するユーザーから支持を得ている。
自動巻きモデル
自動巻きモデルは、回転するローターが備わった機械式ムーブメントを搭載している。このローターの回転運動を利用して主ゼンマイが自動で巻き上がるため、機械式の趣味性を楽しみつつ、日常で使いやすいバリエーションとなっていることが特徴だ。伝統的な時計製造技術とモダンなデザインが巧みに融合しており、時計そのものの動作を楽しむ機械式時計ならではの魅力を提供している。
自動巻きモデルにはクロノグラフ機能を搭載したものもラインナップされており、計時機能とスポーティーなデザインによって、モーターレースとつながりが深いタグ・ホイヤー“らしさ”を楽しめると言える。
また、ケース素材や仕上げにおいても高品質で、カジュアルなシーンからフォーマルな場面まで幅広く活躍する。
これらの特性により、機能美とスタイルを求めるユーザーにとって魅力的な選択肢となっている。
限定エディション
タグホイヤー時計コピー 代引き「フォーミュラ1」コレクションには、特別なイベントや他ブランドとのコラボレーションを基にした限定エディションが展開されている。これらのモデルは通常のラインナップとは一線を画す仕様や独自のデザイン要素を備えており、マニア心をくすぐる。
例えば、ライフスタイルブランド「Kith」とのコラボレーションモデルでは、1986年に発表されたオリジナルデザインを現代的な素材やカラーリングで再解釈したモデルが注目を集めた。
この限定モデルは10種類のカラーバリエーションが用意され、そのうち7つはKith専用、3つはタグ・ホイヤー専用として販売。大胆な色彩と近代的な素材の融合は多くのコレクターや時計ファンに支持されることとなった。